2026年5月4日
※文化時報2026年3月17日号の掲載記事です。
冬季オリンピックの興奮も冷めやらぬうちに、次はWBC(国別対抗で行う野球の世界大会)が始まりました。

前回大会の真っ最中に大阪市内の寺院でお話しをする機会がありました。参加者が少なく、目の前に座っておられる方々もスマートフォン片手に試合経過を気にしておられる様子。話し手からするとかなりつらい状況ではありますが、せっかくお招きいただいたので精いっぱいにお話ししてきました。
先日は珍しいところにお招きいただきました。刑務所です。受刑者約40人の前で社会復帰後の心構えのようなことをお話しました。周りには厳しい顔の刑務官が立っています。みなさんよそ見することなく真っすぐにこちらを向いていました。話し手にとっては好ましい状況ですね。
私は法話会や葬儀、年忌法要などの場だけでなく、医療や司法関係者の前でお話しする機会も多くいただきます。ご依頼の内容が法話には限りませんが、お伝えする内容に仏教を含ませるようにしています。親鸞聖人をはじめ、高僧のお言葉を引用しながらその時のテーマについてお話しします。「仏教の話を聞くのは初めて」とおっしゃる方が多くいます。たぶん初めてではないのでしょうが、機会が少ないのはその通りだろうと思います。
昔大物漫才師がプライベートの場で「何か面白いことを話して」と言われ拒否したという逸話があります。磨いた芸を無料で見せるわけにはいかないということでしょう。
私は「仏教の話をして」と言われればどんな場でも喜んでお話しすると思います。ただし、酒の席では支離滅裂になるかもしれません。その時は「頭が回らない」とお断りした方が無難ですね。
注意しないといけないのは、どなたからも歓迎されるわけではないということです。価値観の違いを前提としてお話しした方がいいですね。あくまでも相手の反応を見ながら、というのが肝要でしょう。一方的な話は嫌われる元です。
これから野球の季節が始まります。とても楽しみですが、興味のない人もいることをついつい忘れそうになります。気をつけようと思います。