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「文化時報」コラム

〈122〉弁護士とのお付き合い

2026年5月15日

※文化時報2026年3月31日号の掲載記事です。

 厚生労働省元キャリア官僚の村木厚子さんは、無実なのに164日間も自由を奪われ勾留されるという悲しい経験をされました。『おどろきの刑事司法~〝犯罪者〟の作り方』(講談社現代新書)にその経緯や心中が詳しく記されています。

 「まじめに生きていればお天道様が見てくださっている」という道徳心は、残念ながらわが国の刑事司法には通じないようです。何かの間違いで嫌疑をかけられても、きちんと説明すればわかってもらえるというのは幻想です。

 いくら「違う」と訴えても検察官の前では非力であり、あれよあれよという間に犯罪者に仕立て上げられます。村木さんの場合には、検察側がフロッピーディスクの日付を改ざんするなど決定打があったため、なんとか無罪を勝ち取ることができました。それを指摘できたから無罪となっただけで、そんなこともできずに無実のまま有罪判決を受けた人がどれだけいるのかと思うと恐ろしくなります。

 村木さんほどのキャリア官僚でも、どうやって弁護士を探せばいいのか分からなかったと著書で述べています。

 私は、万が一逮捕されるようなことになったらすぐに連絡を入れる弁護士を決めてあります。何もやましいことがなければそんな必要はないと多くの方はお考えになるでしょう。ぜひ一度村木さんの実話をお読みになることをおすすめします。

 自分が逮捕されるなど、それこそ「何かの間違いで」のはずですが、障害福祉の現場にいると利用者が逮捕されるという事態が起こります。私はよく相談も受けます。金銭的に許せば弁護人は指定したほうがいいとアドバイスします。

 申し訳ないですが、弁護士には当たり外れがあります。言い方が不適切なら、得手不得手があるということです。大阪弁護士会には障害者弁護部会があります。日頃から電話や無料通話アプリ「LINE」(ライン)で気軽に話ができる関係を作っています。私が思う他職種連携とは、こういう日頃からのお付き合いのことです。

 犯罪者は作り上げられてしまうことがあるということを、忘れないでおこうと思います。

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