検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 『文化時報』コラム > 福祉仏教の現場から > 〈124〉港町と若者の移住

読む

「文化時報」コラム

〈124〉港町と若者の移住

2026年6月12日

※文化時報2026年4月28日号の掲載記事です。

 アニメ監督の宮崎駿氏は新作の構想を練るために、瀬戸内海に面した小さな港町に2カ月間もこもったそうです。そして完成したのが『崖の上のポニョ』というアニメ映画でした。その港町・鞆(とも)の浦(広島県福山市)で地域共生の全国フォーラムが開催されるということで行ってきました。

 山陽新幹線福山駅からバスで約30分。人口約3千人、高齢化率は50%を超えており、空き家もかなり目立ちます。それでも、医療や福祉関係者が全国から集まってくるということで、町を挙げて歓迎してくださいました。

 観光客相手の飲食店は閉店時間が早く、懇親会の時間が待ち遠しいくらいでした。ホスト役を担ってくれた福祉法人が事業所の一つを会場にしてくれました。座る場所の確保も難しいくらいでしたが、ワイワイと楽しい時間を過ごしました。

 ふと気がつくと、お世話をしてくれている事業所の職員さんは若い人が多いのです。失礼ながらこの小さな町のどこにこれだけの若者がいるのか不思議でした。尋ねてみると県外からの移住者というではないですか。首都圏、中京圏、関西圏、九州圏とさまざまなところからやってきた人たちだそうです。

 観光で数日滞在するくらいならいいでしょう。しかし、住居を移してそこで暮らすとなると大きな決心が必要だろうと思います。スタジオジブリのファンであるというだけでできることではないと思います。

 手前みそながら、私が理事をつとめる福祉団体にも新年度から大学新卒者が入職してくれています。やはり若い人が入ってくれると職場に活気が出ます。

 昨今の就職戦線は超売り手市場だそうです。福祉業界は人気があるとはいえない中、福祉の現場に来てくれる若者には感謝しかありません。

 ただ、創意工夫で新しいチャレンジもできやすい業界でもありましょう。弱みを逆手にとって強みに変えていく生の教科書を、鞆の浦で見せていただきました。『崖の上のポニョ』を一度視聴してみようと思います。

同じカテゴリの最新記事

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています