2026年4月17日
※文化時報2026年3月6日号の掲載記事です。
浄土宗願生寺(大阪市住吉区)の大河内大博住職らでつくる合同会社「さっとさんがLab」は2月23日、願生寺に隣接する大阪市立墨江丘中学校で、第3回「ごちゃまぜスポーツ大会」(ごちゃスポ)を開いた。災害などの緊急時に対応できる地域力を高めながら、要支援者の存在を住民に知ってもらう取り組みで、今年はスポーツ庁とも連携。200人余りが楽しんだ。(大橋学修)

体育館を会場に、スポーツ庁の「スポーツを通じた防災教育推進モデル構築事業」として、サッカーボールをゴールにけり込むオリジナル競技「防災クイズシュート」を実施。障害の有無にかかわらず共に楽しめるストラックアウトなども行われた。
重度知的障害などのある娘の米田ももさんと参加した母の和美さんは「困り事をいろいろな人に共有してもらえる。他の地域でもしてほしい」とほほ笑んだ。

大会運営には、看護師や学生など86人が参加。大阪大学大学院生の萩之内大さんは「地域の人々と関わるうちに、求められる役割を感じられるようになった」。宗教者の防災活動に詳しい大阪大学大学院の稲場圭信教授は「スポーツの楽しさを入り口に、平常時と非常時をつないでいる」、在宅医療などを専門とする大阪大学の小西かおる教授は「学生がこういう活動を体験することで、就職先で生かされる」と評価した。
願生寺は2021年9月に防災プロジェクトを始動させ、災害時に医療的ケア児=用語解説=を受け入れる取り組みを進めている。地域で暮らす障害のある人の存在を知ってもらうことが緊急時の支援につながると考え、24年からはごちゃまぜスポーツ大会を開催している。

会場はこれまでの大阪市長居障がい者スポーツセンター(同市東住吉区)から、地域の一時避難所・福祉避難所に指定されている墨江丘中学校に移した。大阪信愛大学の坂上由美准教授は「地域の人々に、墨江丘中学校が福祉避難所であることを知ってもらえるだけでも価値がある」と語る。
墨江丘中学校には、願生寺が毎月行っている子ども食堂などの「寺子屋さっとさんが」で、ボランティア活動をしている生徒もいる。橋口徳治教頭は、墨江丘中学校では「命を守る」「命を大切にする」という観点から防災教育に取り組み、生徒全員が普通救命講習を受けていることも明かした。

大河内住職は「これまでよりも多くの子どもたちが参加した。障害のある人がもっと安全に参加しやすい環境を整えて、交流をより進めたい」と力を込めた。
【用語解説】医療的ケア児
人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、痰(たん)の吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な児童。厚生労働省によると、2021年度時点で全国に約2万180人いると推計されている。社会全体で生活を支えることを目的に、国や自治体に支援の責務があると明記した医療的ケア児支援法が21年6月に成立、9月に施行された。