検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉仏教ピックアップ > 『文化時報』掲載記事 > 感謝で仕事の意欲向上 日記使い実証実験 立命大

つながる

福祉仏教ピックアップ

感謝で仕事の意欲向上 日記使い実証実験 立命大

2026年4月24日

※文化時報2026年3月13日号の掲載記事です。

 「ありがとう」という日々の感謝を記録するだけで仕事への意欲が高まる―。こんな研究成果を、立命館大学などの共同研究チームが明らかにした。感謝の思いを日記に書き残せば、仕事に前向きに取り組む心理状態「ワーク・エンゲージメント」=用語解説=が向上することを、実証実験で証明。同僚や家族らからの支援に気付くことで、働きがいにつながる可能性があるという。(奥山正弘)

 研究チームは、立命館大学と国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、NTTデータ経営研究所。国内企業に勤務する社会人100人を対象に、日々の感謝を記録する「感謝日記群」と、日常の出来事を記録する「日常日記群」のグループに分け、12日間にわたってオンラインで日記を記入してもらう実験を行った。

 記録の前後で「仕事に熱中や没頭できているか」「仕事から活力を得られているか」を尋ね、仕事へのやる気などの変化を比べた結果、感謝日記群は「熱中」や「活力」を含めた仕事への「働きがい」を示す数値が有意に上昇。「ありがとう」「感謝」「助かる」など周囲の支援に対する前向きな言葉が多く見られた。

 一方、日常日記群では働きがいを示す数値に変化はなく、「寒い」「終わる」「悪い」など感情的に中立的・否定的な言葉が見られ、意欲的な表現はほとんどなかったという。

それぞれの日記の頻出語を示したワードクラウド。出現頻度の高い50単語を表示した(出典:立命館大学、情報通信研究機構、NTTデータ経営研究所)
それぞれの日記の頻出語を示したワードクラウド。出現頻度の高い50単語を表示した(出典:立命館大学、情報通信研究機構、NTTデータ経営研究所)

 研究チームは、感謝を意識して記録することで、上司や同僚、家族からの支えといった「仕事の資源」に気付き、それが働く意欲を高めた可能性があると分析。感謝日記は便利で効果的なツールだとして、職場に限らず教育現場など幅広い分野での活用を提案している。

 立命館大学グローバル教養学部の山岸典子教授は「感謝日記は約2週間つけることで効果があり、日記をやめても数カ月は効果が持続する。特別なシステムや装置は必要ない。ぜひ2週間チャレンジしてほしい」と話している。研究成果は国際学術誌『BMCサイコロジー』に掲載された。

【用語解説】ワーク・エンゲージメント(Work Engagement)

 仕事に対する従業員のポジティブで充実した心理状態。仕事から活力を得ていきいきとしている(活力)▽仕事に誇りとやりがいを感じている(熱意)▽仕事に熱心に取り組んでいる(没頭)―の三つがそろった状態を指す。高い人ほど仕事のパフォーマンスや創造性が高く、心身の健康状態も良好であるとされ、その向上は個人と組織の双方にとって重要と指摘されている。

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています