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アーユスNGO大賞に沢田貴志医師 外国人を診療

2026年5月1日

※文化時報2026年3月27日号の掲載記事です。

 NPO法人アーユス仏教国際協力ネットワーク(理事長、松本智量・浄土真宗本願寺派延立寺前住職)は11日、東京都港区の本願寺派光明寺で2025年度アーユス賞授賞式と講演会を行い、外国人医療の最前線で活躍する「シェア=国際保健協力市民の会」(東京都台東区)理事の沢田貴志さんにアーユスNGO大賞を贈った。

(画像アイキャッチ兼用:光明寺で行われたアーユスによる授賞式=東京都港区)
光明寺で行われたアーユスによる授賞式=東京都港区

 同賞は、非政府組織(NGO)での国際協力に功績のあった関係者に贈られる賞。19年に死去したアーユス創設者、茂田真澄氏の遺志を継ごうと、通称「茂田賞」と呼ばれている。

 沢田さんは、フィリピンなど海外での医療体験を経て1991(平成3)年から港町診療所(横浜市神奈川区)に勤務。外国人診療に携わり、行政と連携して外国人の無料健康相談や医療通訳派遣体制を構築してきた。映画「医の倫理と戦争」では戦争と排外主義に反対し外国人の人権擁護を訴えてきた。

 授賞式後の講演では、外国人の健康をテーマに日本が目指すべき共生社会の姿を提示。「日本人ファースト」を喧伝する勢力が流布する外国人に関するデマを厳しく批判し、外国人が日本の医療制度に「タダ乗り」しているような言説は全く根拠がないことを、数々のデータと共に示した。

 その上で、外国人政策の基本が安い労働力の確保に重点が置かれ、人権が軽視されている現状を指摘。行政、医療機関、NGOが連携し、健康格差を解消するネットワークづくりが重要だと主張した。

(画像:講演する沢田さん)
講演する沢田さん

 「経済効率や能力主義を重視する社会か、誰一人取り残さず住民を大切にする社会か。最近は悲観的になるが、ピンチをチャンスと捉え、同じ志の人々と協調したい」と語りかけた。

新人賞に4人の精鋭

 ほかにアーユス新人賞とアーユス特別功労賞の表彰も行われた。

 アーユス新人賞には4人が選出された。NPO法人ジェン(JEN、東京都港区)広報・ファンドレイジング担当の池田織枝さんは、世界の紛争地や災害地で厳しい状況に置かれた女性たちに思いをはせながら、ニュースレターを制作。「できることはほんのわずかだが、気持ちに少しでも寄り添いたい」と話した。

 日本国際ボランティアセンター(同台東区)の大橋怜史さんは、イエメンとスーダンで紛争下の教育支援に取り組む。中東情勢への問題意識が強く独学でアラビア語を習得したといい、「まだスタートライン。この賞を糧に頑張りたい」と抱負を語った。

 「シャプラニール=市民による海外協力の会」(同新宿区)広報部の下鳥舞佳さんは、ウェブサイトや会員制交流サイト(SNS)の管理運営から活動を伝えるコンテンツ企画を担う。美術大学でデザインを学び、卒業後は日本語教師を経て入職した。「国際協力は魅力的な仕事。入り口はいろいろあるのでぜひ参加してほしい」と呼びかけた。

 IKUNO・多文化ふらっと(大阪市生野区)の多言語相談事業責任者、水原修平さんは、自身も「韓国・朝鮮」のミックスルーツであることを知り「差別や偏見によって、誰かが傷つく社会を変えたい」と思い立ち活動を始めたという。

 特別功労賞にはバングラデシュのジュマ民族の人権擁護活動を1998年から行い、アーユスのメンバーとして事務局を支えてきた日本山妙法寺大僧伽(さんが)上総道場の今村公保さんに贈られた。

 

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