2026年5月28日
※文化時報2026年4月14日号の掲載記事です。
福祉仏教入門講座第8期が終了しました。受講してくださった皆さま、ありがとうございました。最終講はいつものようにケーススタディーということで、私のところへ実際にあった相談を基に「私ならこうする」を考えていただく時間になりました。

「お母さん(90代)が救急車で運ばれたのに治療してもらえない」と泣きながら訴える娘さんの事例を一緒に考えていただきました。病院の対応はおそらくこういうことだろうと想像はつきます。しかし、娘さんが「否定された」と感じたらそれで切れてしまいます。さて、どうしたものでしょうか? という内容です。
クイズではないので正解を求めるようなことはしません。あくまでも「私ならこうする」をシミュレーションしていただくものです。「そもそもお寺にそんな電話はかかってこないよ」と思われる方も多いでしょう。そこが問題だと思います。
高齢の方は元気そうに日常を過ごしておられても、あれよあれよという間に命が尽きるということがあります。それはあっけないものです。家族の気持ちがついていかないでしょう。その時に必要なのは医療というよりも「いのち」を語る仏教者の存在ではないでしょうか? 小欄はずっとそれを訴えております。
いわゆる終末期といわれる期間は、医療から仏教へのリレーゾーンだと考えています。そのゾーンは医療と仏教の協働が必要です。バトンを渡す側と渡される側の呼吸が合わないと、バトンタッチはうまくいきません。少なくとも医療側はそのことに気が付いています。あとは受ける側の仏教者の問題でありましょう。
福祉仏教入門講座は次回より「社会と宗教をつなぐ入門講座」へと移行し、現役医師による講義も用意されるようです。講義というより医療側からの熱いラブコールになればうれしいかなと少し期待しています。私が担当しますケーススタディーは継続されます。実際にあった相談を事例に、また皆さんと一緒に考えてみたいと思います。