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熊本地震10年 悲しみと慈しみに学生学ぶ

2026年5月31日

※文化時報2026年4月24日号の掲載記事です。

 龍谷大学世界仏教文化研究センターは15日、京都市下京区の同大学大宮学舎で、グリーフケア講座「悲しみと慈しみに学ぶ東日本大震災15年・熊本地震10年追悼」を開いた。文学部真宗学科以外にも開いた特別講義で、歴史学科や英語英米文学科の学生らも参加。鍋島直樹教授が講演し、二つの災害を回顧しながら、心のよりどころについて考えた。(大橋学修)

 熊本地震は、2016(平成28)年4月14日に前震、同16日に本震が発生。熊本県益城町で両日とも震度7を観測し、災害関連死を含め275人が死亡、寺院関連では300カ寺以上が被害を受けた。

(画像アイキャッチ兼用:心のよりどころについて話す鍋島教授)
心のよりどころについて話す鍋島教授

 鍋島教授は、死別の悲嘆は自然な感情であり、茫然(ぼうぜん)自失になったり、後悔したりと多様な感情が折り重なり、体調にも変化が起こると説明。悲しむ過程自体が心を癒やしていくことを伝えた。

 また、宮沢賢治の詩『雨ニモマケズ』を紹介し、最も大切にされている言葉が「行ッテ」であり、悲しみを抱える人に寄り添う姿勢が示されていると指摘。被災者を支えるための行動が必要だと説いた。

 さらに熊本地震で全壊した浄土真宗本願寺派正教寺(熊本市中央区)が、被災した門徒の求めに応じて地震発生の3カ月後から法座を再開したことに言及。「困難なときには人々が気持ちを話せる場をつくる。それがお寺の役割だと学んだ」と話した。

 その上で、南無阿弥陀仏を英語で説明するとき「避難する」を意味する「refuge」が用いられるとして、「最後の最後に阿弥陀仏が救う、という意味が込められている」と語った。

 講義の終盤には、大学院真宗学科修士課程1年の藤岡顕将さんが、2020年7月の熊本豪雨で球磨川が氾濫した熊本県南部の被災地で、泥のかき出しを行った体験を発表。70代女性が、つらい状況にもかかわらず元気に話しかけてきたのが不思議に思えたと振り返り、「自分のつらさを聞いてほしかったのだと気付いた」と話した。

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