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万博「null²」新章へ 仏教哲学を基盤

2026年6月1日

※文化時報2026年4月24日号の掲載記事です。

 昨年行われた大阪・関西万博のシグネチャーパビリオン「null²(ヌルヌル)」が横浜市内でシアターとして常設されることになった。12日に万博記念公園(大阪府吹田市)で行われた開幕1周年記念イベントで、同パビリオンを手がけたメディアアーティストの落合陽一氏がトークセッションに登壇し、詳細を語った。(河本菜摘子)

(画像:意気込みを語る落合陽一氏)
意気込みを語る落合陽一氏

 「null²」は万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に基づいた八つのシグネチャーパビリオンの一つ。仏教哲学の「空」と計算機科学の「null」を融合させた体験型の作品で、特殊なミラー膜や発光ダイオード(LED)などによって構成され、現実空間とデジタル空間、自己と他者の境界が鏡面を通して溶け合う世界観を体現した。

(画像アイキャッチ兼用:シアターとして常設される「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」のイメージ図)
シアターとして常設される「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」のイメージ図

 新しい自己の在り方に向き合う独自の体験が大きな注目を集め、延べ約60万人が来場。閉幕後には「ぬるぬるのお引越(ひっこし)」と題したクラウドファンディングが実施され、開始23時間で1億円を突破した。最終的に約1万5千人から約2億8千万円を集めた。

 落合氏はトークセッションの登壇後、記者団の取材に応じ、「null²」の発展形「null²ⁿ(ヌルヌルネクサス)」を横浜みなとみらいに常設し、彫刻作品「null⁴(テトラヌル)」が横浜・上瀬谷で開催される2027年国際園芸博覧会(GREENかけるEXPO 2027)に設置される見込みであることを説明した。

 このうち「null⁴」について、テトラレンマ=用語解説=の概念から着想を得たと説明した上で、「人々がデジタルという形で仏教の概念に出会う機会になってほしい」と語った。

(画像:テトラレンマから着想を得た「null⁴(テトラヌル)」のイメージ図)
テトラレンマから着想を得た「null⁴(テトラヌル)」のイメージ図

 大阪・関西万博開幕1周年記念イベントでは、1日限定で一部のパビリオンが復活。公式キャラクター「ミャクミャク」と記念撮影ができるブースなどが設置され、多くの人でにぎわった。ステージでは関係者がトークセッションを行って、半年間の盛り上がりを振り返った。

【用語解説】テトラレンマ

 仏教の思考法である四句分別(しくふんべつ)に基づく考え方。物事を「ある/ない」といった二択で捉えるのではなく、「ある」「ない」「あると同時にない」「あるともないともいえない」の四つの立場から考える。一つの見方に決めつけず、物事の捉え方の幅を示す概念。

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