2026年6月6日
※文化時報2026年4月28日号の掲載記事です。
萱振(かやふり)御坊として知られる大阪府八尾市の浄土真宗本願寺派恵光寺(本多真成住職)は19日、河内音頭の音頭取りとして知られる河内家菊水丸さんの講演「今こそ平和を考える」を行った。本堂に集まった約60人は、世界を訪れた菊水丸さんの体験談に耳を傾け、平和について考えた。
菊水丸さんは、時事問題の風刺を音頭に織り込んで世相を表現する「新聞(しんもん)詠み」で知られる。これまでにイラクや北朝鮮、旧ソ連などで公演を行い、河内音頭を世界に広めた。
講演では1990(平成2)年、元プロレスラーで参議院議員の故アントニオ猪木氏と共にフセイン政権下のイラクを訪れて、日本人の人質解放に尽力したエピソードを紹介。ベトナム戦争で米軍のまいた枯れ葉剤の影響を受けた結合双生児の「ドクちゃん」と現地で面会し、他にも被害に遭った子どもたちがいたことを知ったと振り返った。
講演の後は菊水丸さんと本多住職、本多至善副住職が鼎談(ていだん)を実施。ウクライナ戦争や中東情勢など現在の世界情勢への危機感を示し、仏教界で重んじられる「尊重」の姿勢が社会全体で必要だと語り合った。

本多住職は「違う考えを持つ者同士がお互い思いやりを持って接することで、平和な社会が生まれる」と話し、菊水丸さんは「宗教や政治思想にとらわれず、どんなときも人そのものと関わりたい」と締めくくった。