2026年6月15日
※文化時報2026年5月12日号の掲載記事です。
NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会(東京都豊島区)は4月28日、東京・霞が関の厚生労働省で、2年ぶりに行ったひきこもりの実態調査結果を発表した。本人調査に基づく当事者の平均年齢は43.5歳で、50歳以上も全体の3割以上に上ることが明らかになった。(山根陽一)

全国で約146万人と推計されるひきこもりは、若年層特有の問題と捉えられがちだが、ひきこもり状態の長期化が人生の後半にも影響を及ぼす実態が浮かび上がった形だ。
調査は2025年12月~26年1月に実施。家族調査278件、本人調査101件の回答を得た。当事者のみならず親の高齢化も顕著で、家族調査に基づく家族の平均年齢は66.3歳と10年前の62.8歳を上回り、地域の支援が必要不可欠になっている。
自由記述では、収入が高齢の親の年金に限られていることや、「人と話さない、生きたいと思っていない本人とどう接すべきか分からない」「家庭内暴力を防ぐだけで精いっぱい」「将来の話をすると黙ってしまう。八方ふさがり」など深刻な声が多数寄せられた。
小林幸弘事務局長は「8050問題=用語解説=が『9060』に上昇し、地域での継続的な見守りや緩やかなつながりがますます重要になっている」と指摘。日花睦子(ちかこ)共同代表は「ひきこもり問題は生活保護、介護、親なきあと、ヤングケアラーなどさまざまな問題に関連する。現在の縦割り行政では有効に機能しない」と訴えた。
【用語解説】8050問題(はちまるごーまるもんだい)
ひきこもりの子どもと、同居して生活を支える親が高齢化し、孤立や困窮などに至る社会問題。かつては若者の問題とされていたひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子を養っている状態に由来する。