2026年6月23日
※文化時報2026年5月19日号の掲載記事です。
大阪府東大阪市の真宗大谷派德因寺(稲垣直来住職)が、一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室(小野木康雄代表理事)の20番目の支部を開設した。6日には初の催しとなる「お寺de終活」を開催。地域住民ら20人が、専門家の講演を通じて万一の備えについて学んだ。

終活は、障害のある人やひきこもり当事者の親たちにとって、わが子の行く末を考える上で避けて通れない課題。稲垣住職は、普段の法話では「終わるための活動」よりも「最期まできちんと生きるための活動」としての〝生活〟を唱えているが、今年1月に門徒が孤独死しているのを発見した経験から、その重要性を考えるようになった。
催しの冒頭で稲垣住職は「人間は死を必ず通らなければならないが、独りぼっちは避けられるなら避けたい。皆さんの一つ一つの不安に向き合っていきたい」と、開催趣旨を語った。

続いてNPO法人障がい者・高齢者市民後見STEP(大阪府豊中市)の竹村哲也代表理事が「終活・もしもの備え」と題して講演。「おひとりさま」と呼ばれる単身世帯の不安は健康、経済、孤独の「3K」だと述べ、成年後見制度=用語解説=や委任契約の仕組みと活用方法について解説した。
とりわけ死後事務委任契約=用語解説=は任意後見人に依頼して結ぶのがいいと説明。また遺言は元気なうちに作成しておくべきであり、特に子どものいない夫婦は兄弟姉妹やおい・めいに相続権が及ぶため、必要性が高いと指摘した。

知人に誘われて参加したという東大阪市の織田登子さん(82)は「最初から最後まで身につまされる話だった」、木村文子さん(89)は「最近友人が亡くなるなど、人ごとではないと感じていた。専門家と出会えて、気持ちが少し楽になった」と話した。
【用語解説】成年後見制度(せいねんこうけんせいど)
認知症や知的・精神障害などで判断能力が不十分な人に代わり、財産の管理や契約事を行う人(後見人)を決める制度。家庭裁判所が選ぶ法定後見と、判断能力のあるうちに本人があらかじめ選んでおく任意後見がある。支援対象を限定し、必要がなくなれば途中で利用を終了できる方向で見直しが検討されている。
【用語解説】死後事務委任契約
自分が亡くなった後に必要な手続きを、第三者に委任する契約。医療費など各種料金の支払い、行政への届け出、葬儀・埋葬に関する事務などを前もって頼んでおく。主に司法書士や弁護士、行政書士などが扱う。