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再審法改正の「現在地」語る 鴨志田弁護士が登壇

2026年7月12日

※文化時報2026年6月26日号の掲載記事です。

 文化時報社が毎月開講する「社会と宗教をつなぐアドバンス講座」の第6回が17日、オンラインで行われた。「無実の人を守れ~再審法改正の現在地」と題し、日弁連再審法改正推進室長(会長特別補佐)の鴨志田祐美弁護士(京都弁護士会)が登壇。刑事裁判をやり直す再審制度の見直しがどのような議論をたどってきたのか、そもそもなぜ必要なのかを丁寧に解説した。

:「無実の人を守れ~再審法改正の現在地」と題して行われた鴨志田弁護士の講演
「無実の人を守れ~再審法改正の現在地」と題して行われた鴨志田弁護士の講演

 鴨志田弁護士は、自身が弁護団共同代表を務める大崎事件=用語解説=に長年携わってきた経験から、冤罪(えんざい)被害者の救済には、戦前の手続きが残り「開かずの扉」とされてきた再審制度を改める必要があると考え、法改正の運動に身を投じた。

 講演では、実際の冤罪事件に触れながら、検察・警察が証拠を捏造したり都合の悪い証拠の存在自体を隠したりした事例を示した。裁判所が再審開始を決定したにもかかわらず、検察官抗告(不服申し立て)により、手続きが長期化している実態も批判した。

 また、2024年3月に超党派の国会議員連盟が発足して以降の再審法改正を巡る議論を紹介。法務大臣の諮問機関である法制審議会や自民党での党内手続きなど、自身が立ち会ってきたからこそ分かる内幕を明らかにした。

 質疑応答では「再審法は、取り逃がした真犯人を適切に処罰するためにも必要」と強調。裁判員裁判で誰もが冤罪加害者になり得ることにも触れつつ、「法律をつくるのは国会。ぜひ国民が声を届けてほしい」と呼びかけた。

 今回の講演録画について、文化時報社は7月17日までアーカイブ配信を行っている。視聴には2千円が必要。手数料を除く売り上げを全額、鴨志田弁護士に寄付し、冤罪被害防止に向けた運動に役立ててもらう。申し込み・問い合わせはホームページ(https://2606archive.peatix.com/)。

【用語解説】大崎事件

 1979(昭和54)年10 月、鹿児島県大崎町で男性の遺体が自宅横の牛小屋で見つかり、義姉の原口アヤ子さん(当時52)と元夫ら3人が逮捕・起訴された。原口さん以外の3人には知的障害があり、起訴内容を認めて懲役1~8年の判決が確定。原口さんは一貫して無実を訴えたが、81年に懲役10年が確定し、服役した。

 出所後の95年に再審請求し、第1次請求・第3次請求で計3回、再審開始が認められたものの、検察側が不服を申し立て、福岡高裁宮崎支部(第1次)と最高裁(第3次)で取り消された。2020年の第4次再審請求は最高裁が25年に棄却。26年1月8日、第5次再審請求を行った。

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