検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉仏教ピックアップ > 『文化時報』掲載記事 > 身寄りなしと8050問題、当事者視点で考える

つながる

福祉仏教ピックアップ

身寄りなしと8050問題、当事者視点で考える

2026年8月14日

※文化時報2026年7月7日号の掲載記事です。

 一般社団法人SHIPひきこもりと共生社会を考えるネットワーク(SHIP)は6月25日、東京都渋谷区の地域共生サポートセンター「結(ゆい)・しぶや」で公開講座「身寄り無し問題と8050問題=用語解説=」を開いた。オンラインを含めて45人が参加し、ひきこもり当事者・経験者の「親なきあと」について学びを深めた。

 当事者の視点から「生きやすい今とこれから」を考えようと、SHIPが毎月開催している「SHIP!SPACE講座」の第3回。身元保証や住まい、地域コミュニティーなどをキーワードに、ジャーナリストや支援者、当事者らがさまざまな角度から語り合った。

身寄りなし問題と8050問題をテーマに行われたSHIPの公開講座=東京都渋谷区
身寄りなし問題と8050問題をテーマに行われたSHIPの公開講座=東京都渋谷区

 毎日新聞客員編集委員の滝野隆浩さんは、引き取り手のない遺骨や孤立死の急増などを背景に、「家族が支える前提でつくられた日本の制度は限界を迎えている」と解説。身寄りなし問題は困窮者に限らず、お金があっても家族や親戚に頼れない人、頼りたくない人も同じように直面する課題であると指摘した。

 その上で、身元保証、日常生活、医療同意、金銭管理、死後事務という「五つの困難」を1人に託さず、分散化する試みが重要だと強調。身寄りなし問題と8050問題の支援が重なることで「現場は相当混乱し、弱者同士によるパイの奪い合いが起きる可能性もある」と警鐘を鳴らした。

 SHIP共同代表でジャーナリストの池上正樹さんは、NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会の実態調査などを元に、8050問題の現状について報告。一般社団法人親なきあと相談室関西ネットワークの藤井奈緒代表理事と、一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室の小野木康雄代表理事は、相談事例や宗教施設の取り組みなどを紹介した。

 当事者の立場で登壇した中田和夫さんは、コミュニティーの本質は「ありのままの自分を出しても、受け入れてもらえる人や場所があること」と説明。8050問題を「80代の親と同居する50代のひきこもり」という否定的なイメージから、「80代の親の介護のため、実家で生活する50代」という肯定的なイメージに変えられないか、と提言した。

【用語解説】8050問題(はちまるごーまるもんだい)

 ひきこもりの子どもと、同居して生活を支える親が高齢化し、孤立や困窮などに至る社会問題。かつては若者の問題とされていたひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子を養っている状態に由来する。

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています