2026年4月16日
高齢者施設には、近所の小中学生や幼稚園・保育園児、ときには犬などの動物までもが入居者を癒やしに訪れます。中でも入居者が特に楽しみにしているのが「赤ちゃん」。動物は苦手な人やアレルギーを持つ人もいますが、赤ちゃんが苦手という人はまずいません。また利用者のほとんどが子育て、孫育ての経験者ですから、赤ちゃんを見ると昔を思い出すなど、回想療法の面でも効果があります。

こうした効果を期待して、スタッフに赤ちゃんがいる場合には子連れ出勤を奨励している施設も珍しくありません。しかし、そうそうタイミングよくスタッフが妊娠・出産するわけではありませんから、赤ちゃんが不在になってしまう期間もあります。それを避けるため、赤ちゃんがいる近所の人たちに「どんどん施設を訪問してください」と呼びかける施設もあります。
九州のある施設では、赤ちゃんは「入居者を笑顔にするために職員として出勤した」という扱いにしており、オムツや粉ミルクを「給与」として支給しています。親としては家計が助かりますから、積極的に施設に足を運びます。そのうち親同士も仲良くなり、赤ちゃんを抱える親の地域コミュニティーができるという思わぬ効果もありました。
さて、この「赤ちゃん職員」ですが、3歳を迎えると「定年退職」します。3歳になると、かなり複雑な会話もできるようになります。そして子どもには「遠慮」や「空気を読む」という考えがありません。
「どうしておじいちゃんは歩けないの?」「おばあちゃんが話していること、分からない」など、正直すぎる発言をしてしまい、ときに利用者を傷つけてしまうのが理由だそうです。