2026年5月19日
深刻な人手不足を背景に、介護現場で情報通信技術(ICT)の機器導入が進んでいます。今では介護記録や請求業務、勤務シフトの作成などはアプリなどで行うことが一般的ですし、人工知能(AI)を活用するケースも増えてきています。

ICT機器を活用する最大のメリットは「業務の効率化」です。そして「それにより捻出できた時間をどのように活用するか」ですが、これには「レクリエーションを充実させる」「保険外の個別サービスの時間を設ける」「スタッフの研修時間を増やす」など、介護事業所ごとの考え方の違いが結構出るものです。
関西のある有料老人ホームは開設して20年が過ぎ、建物各所の傷みが目立つようになっていました。もちろん、折を見てメンテナンスを行っているのですが、最近は修繕を行う会社も職人不足で、依頼をしてもすぐには来てくれません。何よりも工賃の値上がりはホームにとって頭の痛い問題でした。
それを解決したのが、工務店で勤務した経験があるというスタッフ。これまでは人手不足で介護業務で手いっぱいだったのですが、ICT化で生まれた時間を活用して、彼にホームの営繕業務を担当してもらうことにしました。
「キッチンの排水の調子が良くない」「談話スペースの壁を明るい色にして欲しい」などの相談や依頼に気軽に応じた結果、建物は築20年とは思えないほどにきれいになりました。その結果、新規入居が進んだだけでなく、これまで外注していた営繕業務の内製化でホームの利益が大きく増えたそうです。
今では、なるべく多くの時間を営繕業務に割けるように、彼が日常担当する業務を優先してICT化するようにしているそうです。それだけでなく、助っ人として同じ会社の近隣ホームにも駆け付けています。