2026年5月24日
私が生きている間、ずっと幸せである必要はない。しかし、生きている限りは立派に生きるべきである。
――哲学者、イマヌエル・カント(1724~1804年)

今回紹介するのは、ドイツの哲学者、カントが残したとされる言葉です。
カントは分野を問わず、多くの哲学問題に向き合い、新たな哲学体系を構築した人物で、「近代哲学の祖」「近代哲学の完成者」と呼ばれています。
生前のカントについては、生真面目で理知的な生活をしながらも、常にさまざまな人に配慮しながら話す社交的な性格をしていたことで知られています。
カントは、行為の結果得られる利益や喜びよりも、行為自体の正当性を重んじる人物でした。善い動機に基づいて行動し、己の義務を果たす人の姿こそ、カントが目指す道徳的な人間像だったのです。
自分の利益を後回しにして善行を優先するのは容易ではありません。
しかし、カントはその至難の業をやってのけました。
人を尊重しつつ、自分の研究も進め、大学教授という立場でさまざまな人と関わりながら現代の思想にも影響を与える成果を出したのです。
そこには、善い行いをしているからこそ湧き出る自信や熱意があったのでしょう。
自分の幸福よりも善い行いを優先することは、自分が損をするということではありません。
常に他者への尊敬や愛情を持って生きることを立派な生き方だと誇れるならば、幸せなことばかりでなくとも、不幸な人生だったとは思いませんよね。
周囲にいる人を尊重し、胸を張って生きる道を進むことが、充実した人生の第一歩です。