2026年8月6日
天にありては星、地にありては花、人にありては愛、この世に美しきものの最たるや
――文芸評論家、高山樗牛(1871~1902)

高山樗牛(ちょぎゅう)は、雑誌『太陽』の主幹として活躍しながら、日本主義、ニーチェの個人主義、そして日蓮主義へと思想を展開させ、明治の言論界をリードした人物です。
今回紹介する言葉は、そんな高山樗牛が残した、この世にある美しいものを象徴する言葉です。
天に浮かぶ星や地上に咲く花のように、人が他者を愛する姿には、何物にも代えがたい美しさがあります。
仏教における「愛」は、執着やエゴを指すこともありますが、他者の苦しみを抜き、楽しみを与えようとする「愛」は、仏教の根幹にある慈悲の精神と重なります。
彼の著作に現れる情熱的で華麗な美文と、力強く自分の主張を伝える文体は、明治の人々を魅了しました。
自分の信じる相手を愛することを恐れない人の姿には、人々の心をひきつける、自然の強さと美しさのような力があるのではないでしょうか。
多くの命が生きるこの世界を美しくするものの一つに、人の愛もあるのです。