2026年8月16日
世界がぜんぶ幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない
――作家、宮沢賢治(1896~1933)『農民芸術概論綱要』より

『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』など多くの名作を生みだした宮沢賢治の言葉です。
熱心な浄土真宗の家庭に生まれ、のちに法華経の思想に深く傾倒した彼は、生涯を通じて仏教を心のよりどころとした人物でした。
彼の作品には、法華経の教えである「一切衆生の救済」という、命あるもの全ての救済を目指す姿勢が色濃く反映されています。
登場人物は、人も動物も妖怪も等しく「命あるもの」として描かれ、作中には仏教に通底する「利他の精神」を表した言葉が多く見られます。
生きていると、時には周囲を出し抜いて利益を得られるような機会があるかもしれません。
しかし、自分一人だけが幸せになればいいと周りの人々をないがしろにしているうちは、本当の幸せは訪れないのではないでしょうか。
人は独りで生きていくものではありません。
私たちは、常にたくさんの人や物に支えられて生きています。
真の幸せは、決して独りでは成し得ないのです。
宮沢賢治の残したこの言葉の通り、誰もが幸福を分かち合える社会を目指すこと。
それこそが、私たちが「真の幸せ」にたどり着く唯一の道なのかもしれません。