2025年7月19日 | 2025年7月20日更新
※「株式会社霊園・墓石のヤシロ」による提供記事です。
いざという時に備えておきたいもののひとつが、お葬式にかかる費用です。
「大切な人との最期の別れを、心を込めて送りたい」。そんな思いがある一方で、費用面の不安や疑問を抱えている方も少なくありません。
葬儀には、形式や地域によってさまざまな費用がかかります。事前に相場や内訳を知っておけば、万が一の際にも落ち着いて対応しやすくなります。
また、最近では「自分らしい送り方」を選びたいという声も増えており、準備や備え方の選択肢も広がっています。
今回は、一般的な葬儀費用の目安や内訳、そして賢い備え方についてわかりやすくご紹介します。
葬儀費用の平均はどれくらい?

全国平均は約150万~200万円といわれています。
葬儀費用の全国平均は、民間各社調査によると、おおむね150万~200万円程度とされています。
ただし、これは一般葬(親族・友人・会社関係など多くの参列者を招く葬儀)の平均額であり、家族葬や直葬(火葬のみを行う葬儀)では、もっと費用を抑えることも可能です。
また、費用は地域差も大きく、都市部では会場費や人件費が高くなる傾向があります。
葬儀の形式によって費用は変わる
近年は家族葬や直葬など、小規模でシンプルな葬儀を希望する方も増えています。
形式別のおおまかな費用目安は以下の通りです:
・一般葬:150万~200万円程度
・家族葬:50万~120万円程度
・直葬(火葬式):10万~30万円程度
それぞれにメリット・デメリットがあり、事前に希望する形を考えておくと良いでしょう。
葬儀費用の主な内訳とは?

葬儀費用といっても、一つのまとまった金額として請求されるわけではありません。
実際には、さまざまな項目ごとの費用が積み重なって全体の金額が決まります。ここでは、主な内訳やその内容を、順番にご紹介します。
① 葬儀一式費用(祭壇・会場使用料など)
葬儀費用の中で最も大きな割合を占めるのが「葬儀一式費用」と呼ばれる項目です。
葬儀社によっては「基本プラン」としてまとめられている場合もありますが、具体的には以下のような内容が含まれます。
・祭壇設営
・会場使用料(斎場・葬儀会館など)
・棺(ひつぎ)・骨壺(こつつぼ)
・遺影写真作成 など
規模や会場のグレードによって、費用の幅が出やすい部分でもあります。
② 飲食接待費用(通夜振るまい・精進落としなど)
参列者への「おもてなし」にかかる費用がこちらの項目です。
通夜や告別式のあとに振るまわれる食事や飲み物などが該当し、地域の習慣や参列者の人数によっても大きく変動します。
たとえば:
・通夜振るまい(通夜後の軽食)
・精進落とし(告別式後の食事)
小規模な家族葬では省略することもありますが、用意する場合は予算に組み込んでおくと安心です。
③ 返礼品費用
お香典をいただいた方への「返礼品」も、一般的な葬儀費用に含まれます。
地域によっては当日手渡しする場合と、後日郵送する場合があります。
具体例としては:
・お茶・菓子類
・タオル・日用品
・商品券など
香典の額や地域慣習に応じた品物選びが求められるため、事前に葬儀社と相談しておくとスムーズです。
④ 宗教者へのお礼(お布施など)
僧侶や神職の方に対する「お布施」や「御礼」も重要な項目です。
これはあくまで気持ちとしてお渡しするものであり、明確な料金表が存在しない点が特徴です。
相場は宗派や地域によって大きな差がありますが、最近は葬儀社を通じて「目安」を教えてもらえることも増えています。
「金額の決め方がわからない」と不安な場合は、遠慮なく相談してみましょう。
⑤ その他(火葬料、寝台車費用など)
葬儀費用には、意外と見落としがちな「その他の費用」もあります。
これらは必須の場合も多いため、あらかじめ想定しておくことが大切です。
例として:
・火葬料(公営・民営で金額差あり)
・搬送費用(寝台車など)
・ドライアイス(遺体の保全)
・役所手続き代行費用 など
こうした細かな費用が積み重なり、思わぬ出費につながることもあります。事前に把握しておくと安心です。
【コラム】お布施の心―「ありがとう」とともに手渡す―

お葬式において、僧侶や宗教者の方へお渡しする「お布施」。
その金額ばかりに目が向きがちですが、仏教の考え方では、お布施とは本来、感謝や供養の心を形にしたものとされています。
故人を送り出す場において、「ありがとう」の気持ちや、冥福を祈る心をこめてお渡しする…その心構えこそが、何より大切です。
もし金額に迷った場合は、まずはご住職や葬儀社に相談しつつ、ご自身の誠意を大切にされてみてください。
葬儀費用を賢く備えるには?

葬儀保険・共済を活用する
近年注目されているのが、葬儀保険(終活保険)や共済制度です。
毎月少額の掛け金で、葬儀費用の一部や全額をまかなうことができます。
メリット:
・準備がしやすい
・万一のときに家族の負担を軽減できる
注意点として、保険内容をよく確認し、自分の希望に合うプランを選びましょう。
葬儀社の事前相談を利用する
多くの葬儀社では、無料の事前相談を受け付けています。
見積もりをとっておくことで、費用感が具体的につかめ、万一の際に慌てずに済みます。最近は「事前割引」や「会員制度」など、費用面で有利になるサービスも充実しています。
家族と話し合っておく
とても大切なのが、家族で事前に話し合っておくことです。
・どのような形式にしたいか
・費用はどう備えるか
・誰が中心となって準備するか
普段はなかなか話題にしにくいかもしれませんが、元気なうちに意識共有しておくことで、心残りのない送り方につながります。
まとめ

葬儀費用は、形式や地域、規模によって大きく異なります。
「一般的な相場って?」「どんな費用がかかるの?」といった疑問は、事前に情報を知っておくことで、いざという時の心構えがまったく違ってきます。
また、保険や共済を活用したり、葬儀社の事前相談を利用したりと、無理のない形で準備を進める方法もたくさんあります。
何より大切なのは、「どんなふうに故人を送りたいのか」「家族として何を大切にしたいのか」という心の準備を整えておくことかもしれません。
日々の暮らしの中で、少しずつできることから備えていきましょう。
その準備がきっと、心をこめて故人を送り出す場づくりへとつながっていきます。
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