検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > お寺と福祉の情報局 > 仏教の豆知識 > 京都の年末年始どこ行く?宗教記者おすすめ寺社

知る

お寺と福祉の情報局

京都の年末年始どこ行く?宗教記者おすすめ寺社

2024年12月28日 | 2025年1月6日更新

 お坊さんも走る12月も終わりに近づき、新年が迫って来ました。神社仏閣がひしめく京都へは、帰省する人だけでなく、新年のお参りに訪れる観光客が大勢います。しかしお寺や神社が多すぎて、どこへお参りしていいのか分からない、という問題も。そこで、宗教専門紙・文化時報の記者が、年末年始おすすめのお寺や神社をご紹介します。大勢の参拝客を集める有名寺社だけでなく、地元に愛される小さな寺社や穴場寺社もずらり。ぜひ参考にしてください。

年末のおすすめ神社仏閣

 年末年始は新年の干支(えと)が注目されがちですが、大みそかには、一年を見守ってくれた干支にお礼のごあいさつを提案したいと思います。2024(令和6)年は辰(たつ)。竜を守護神にする神社仏閣は多くありますが、京都最古の禅寺で、風神雷神図屛風(びょうぶ)でも名高い臨済宗建仁寺派大本山建仁寺(京都市東山区)にも竜がたくさん。雲龍図の襖絵(ふすまえ)、法堂(はっとう)天井の双龍図は圧巻です。

建仁寺双龍図
建仁寺双龍図

 京阪「祇園四条」駅から徒歩7分の好立地。古都京都の雰囲気を感じられる街並みで、旅情に浸れることでしょう。

 京都市営地下鉄「今出川」駅徒歩6分の臨済宗相国寺派大本山相国寺(上京区)の法堂天井にも「蟠龍図(ばんりゅうず)」が。別名「鳴き龍」とも呼ばれ、ある位置に立って手をたたくと、天から竜の〝鳴き声〟が降ってきます。また、お堂のどこから見上げても、竜と目が合うように描かれています。残念ながら通常非公開ですが、外からお参りはできますので、竜の守護を感じてみてはいかがでしょうか。

 どうしても竜を見たい、と思ったら、境内にそびえる鐘楼「洪音楼」を目指してください。弁財天をまつる「弁天社」との間にある手水(ちょうず)舎に、小さいながらも迫力のある竜が水を吐き出しています。2025(令和7)年は巳年(みどし)ですが、弁財天の使者は蛇。弁天社にかわいらしい蛇が描かれた額が奉納されています。

 最後に京阪・JR「東福寺」駅すぐにある瀧尾神社(東山区)。拝殿にそれは見事な竜の彫刻が天井を泳いでいます。

瀧尾神社の竜の彫刻
瀧尾神社の竜の彫刻

 夜になると水を飲みに神社を抜け出すとか。境内にある三嶋神社には、かわいらしい水蛇(ウナギ)が絵馬に描かれています。色使いもおしゃれ。

三嶋神社の絵馬
三嶋神社の絵馬

 そのほか泉涌寺(東山区)や大徳寺(北区)、天龍寺(右京区)などまだまだいっぱい。竜は仏法の守り神でもあることから、お寺にはよく竜が描かれているのです。

 せっかくなら除夜の鐘を突きたい、もしくは見たい。そういう方には京都市バス「百万遍」徒歩3分の浄土宗大本山百萬遍知恩寺(左京区)をおすすめします。大みそかには甘酒のお接待や除夜法要、巨大な数珠をお坊さんと一緒にぐるぐる回す「大念珠繰り」などを体験。年明けても午前1時半まで鐘が突けるそう。バスも遅くまで運行しているとのことなので、ご自宅やホテルまでの時間を調べて出かけてみてください。

 浄土宗総本山知恩院(東山区)では一般の人は鐘を突くことはできませんが、法要の後、十数名の僧が掛け声とともに一斉に鐘を突くさまは迫力満点。大みそかの厳かな気分が高まります。地下鉄「東山」駅から徒歩8分。

 浄土宗大本山の清浄華院(上京区)は午後11時半からの除夜の鐘法要の後、一般の方が参加できる鐘突きが始まります。温かい汁物を用意してくださるそうで、京都の寒い年越しをおいしく味わいましょう。京都市バス「府立医大病院前」徒歩5分です。

 顕本法華宗総本山妙満寺(左京区)にある鐘突きは、夕方からという珍しいもの。大みそか午後3〜5時の間に到着した方から鐘を突くことができるそうです。叡山電鉄「木野」駅から徒歩5分。夕方なので、お子さんにもいいですね。

 JR西日本は午前3時ごろまで、京阪、近鉄は終夜運転を実施するそうです(一部区間を除く。変更の可能性があるので随時確認を)。

元日初詣におすすめの寺社

 さて、いよいよ初詣本番。まずは定番の八坂神社(東山区)。創建は平安以前という歴史ある神社で、国宝の本殿をはじめ数々の文化財を有しています。本殿下には龍神の住まう池「龍穴」があり(現在は封印)、今なお力強いエネルギーを放っています。

 京阪「祇園四条」駅徒歩5分、阪急「京都河原町」駅徒歩8分。東山区祇園町北側という便利な立地も魅力です。初詣ランキングでは伏見稲荷大社と1、2を争う人気。しっかり防寒、かぜ対策をして、お正月らしい華やかな雰囲気を味わってください。

 八坂神社から丸山公園を通り過ぎ、やや急な坂を上ると、突き当たりにある東山区の時宗長楽寺は、相阿弥が銀閣寺の試作として作庭したお庭を有しています。2024年に書院の改修工事が完了した記念の弁財天絵馬に、新年の決意や願いを託しましょう。除夜の鐘は千円で、キーホルダーと厄除けのお守りが授与されるそうです。

長楽寺の絵馬
長楽寺の絵馬

 八坂神社、長楽寺へのお参りなら、帰りは寺町京極商店街に寄って、通り過ぎそうな小さな路地にたたずむ骨董(こっとう)喫茶Wright商會で休憩を。三条商店街は多くのお店がひしめいていますが、元日はさすがに閉まっているお店がほとんど。そんな中、こちらLight商會は朝から元気に営業!しかもスタッフが超自信を持って提供する、毎年大人気のお雑煮を味わえます。

 お店はセンスのいいアンティーク雑貨であふれ、とにかくおしゃれ。元日からクラシカルで少し不思議な空間に浸るもよし、店前のミニ屋台でちょっと休憩するもよし。楽しい新年になること間違いないでしょう。

Wright商會の店内
Wright商會の店内

 繰り返しになりますが、2025年の干支は「巳」。蛇は弁財天のお使いといわれていますので、弁財天をおまつりする神社仏閣へお参りしてみましょう。脱皮する蛇は再生の象徴といわれることから、弁財天は金運に関わるご利益が得られるとされています。金運アップのために、蛇の抜け殻を財布に入れておく―という風習は有名ですね。

 真言宗智山派六波羅蜜寺(東山区)は都七福神の一つ、巳成金福寿弁財天をおまつりしています。正月三が日は、毎日2千人に福徳初稲穂が授与されるそうです。また、千年以上にわたって伝わる無病息災、邪気払いができるという「初観音 皇服茶」と、毎日3千人に秘伝「観世音厄除御守護」符が授与されます。銭洗い弁財天ではお金を洗い清め、金運を願いましょう。京阪電車「清水五条」駅徒歩7分。

 強力な蛇の気を放っているのは青龍妙音弁財天(上京区)。お堂にはたくさんの蛇の絵が掲げられ、蛇をあしらった瓦も使われています。京阪・叡山電鉄「出町柳」駅徒歩3分。

青龍妙音弁財天に掲げられた蛇の絵と瓦
青龍妙音弁財天に掲げられた蛇の絵と瓦

 京都市内からJRで20分、平等院(京都府宇治市)へお参りする方は、隣の黄檗(おうばく)駅で下車してみて下さい。駅から徒歩3分、黄檗宗大本山萬福寺の塔頭(たっちゅう)、宝善院は干支の寺。庭には干支ごとの守り本尊様がいらっしゃいます。
辰・巳の守り本尊、普賢菩薩のお膝元には蛇と竜がたくさん!

宝善寺の境内、守り本尊のお膝元に蛇と竜がたくさん
宝善寺の境内、守り本尊のお膝元に蛇と竜がたくさん

 国宝になったばかりの萬福寺と併せてお参りするのはとても縁起が良さそうです。

 哲学の道近くの大豊神社(左京区)の本殿前には狛犬(こまいぬ)だけでなく、なんと「狛巳」が鎮座。治病健康長寿、若返り、金運の象徴だそう。京都市バス「東天王町」徒歩7分です。

 陰陽師(おんみょうじ)でおなじみ安倍晴明をまつる晴明神社(上京区)は京都御所近く。晴明は巳年生まれだそうです。晴明神社は年明けから多くの初詣の参拝者でにぎわいます。午前8時からは、晴明井からくみ上げた若水を神前にお供えし、国家安泰を祈願する歳旦祭が行われます。

 晴明神社から歩いて7分。小腹がすいたらおしゃれなギャラリーカフェ好文舍でお雑煮をいただきましょう。こちらも元日から営業しています。新年から京都らしい町屋カフェの畳に足を伸ばし、歩き疲れた足を休ませて、こだわりのコーヒーと美しい坪庭に癒やされてください。

好文舍のコーヒー
好文舍のコーヒー

 番外編として奈良へ足を延ばすと、陰陽師・安倍晴明ゆかりの華厳宗東大寺別格本山安倍文殊院(桜井市)で、巨大な「み」がお花で形作られています。シンボルの魔よけ呪符「五芒星(ごぼうせい)」もしっかり配置され、「合格」の文字も。

 ライブカメラでも見ることができます。年賀状用のダウンロードサービスがあるので、まだ年賀状を書いていないと焦っている方は、こちらでどうぞ。

 安倍文殊院は創建が大化の改新でおなじみの645年。大化元年というのもなんだか新年らしいですね。この年は体制が一新されたこともあり、来年飛躍したい人、新しいことを始めたい人はお参りしてみてはいかがでしょうか。

 年末年始にかけてのおすすめ寺社を紹介しましたが、もう十分お参りした、2025年の運気は十分、という方は、締めに京阪「七条」駅下車7分、京都国立博物館(京都市東山区)はいかがでしょうか。新年2日から開館しているので、初売りの雑踏から逃げ出して、小学生から楽しめる「巳づくし―干支を愛(め)でる」展を鑑賞しては。絵画や土器などの美術品に登場する蛇を探して、巳年を万全の態勢で迎えましょう。

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています