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「文化時報」コラム

〈114〉「五季」になった日本

2026年1月10日

※文化時報2025年11月11日号の掲載記事です。

 「五季」という言葉を初めて耳にしました。気候変動が顕著になった昨今、アパレル業界では春夏秋冬の四季ではなく夏を初夏と猛暑に二分して五季としているのだそうです。

 長すぎる夏を考えると納得してしまいました。でも、感覚的には秋の存在が薄くなっています。冷房のすぐ後に暖房が必要になり、エアコンが休まる時がないのです。春・梅雨・盛夏・冬の四季じゃないかとも思います。

 貴重になった秋の日に琵琶湖でクルージングを楽しんできました。前日が大雨で翌日が太陽を拝めない曇り空でしたから、その日だけピンポイントの快晴で運が良かったです。暑くもなく寒くもなく、風がとてもさわやかな心地よい時間を過ごしました。

 車いすを押しながら、あるいは知的障害がある人と手をつなぎながら約50人の団体行動でした。その日の夜は湖畔の温泉宿に泊まりました。

 夕食は大広間で大盛り上がりです。部屋中を走り回る人がいたり、発語に不自由な人がカラオケマイクを握ったりとそれぞれが大はしゃぎ。障害があることで何か窮屈な生き方を強いられている人たちが爆発する時間です。

 私はこの時間が大好きです。どの顔もキラキラ輝いています。同行する職員もみんな笑顔です。「いのち輝け!」が体現されています。他の人から見れば奇声に感じるかもしれませんが、その人の精いっぱいの喜びの表現であることは言うまでもありません。

 年に1度の大旅行ですが、コロナ以前は春に行っていました。キッカケは年度末に預り金の精算をする際に「返金よりも旅行を」という利用者さんや家族さんの声で始まりました。

 ですが、春先はまだまだ肌寒く、あまり楽しめていないのではないかという意見がありました。そこで今年は10月にしてみたのです。大正解でした。「来年も10月がいい」と大多数の人が言っております。

 でも今年はものすごく天候に恵まれただけなのです。来年も10月に行くとして、天候まで予測して計画することはできません。また今度も貴重な秋晴れに当たれば…と思いつつ、その確率は極めて低いことも承知しています。今は五季の日本ですから。

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