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「本は創造力の源泉」文字・活字文化の意義討論

2025年10月28日

※文化時報2025年8月8日号の掲載記事です。

 大正大学(神達知純学長、東京都豊島区)付属図書館は7月26日、文字・活字文化振興法制定・施行20周年記念フォーラムを開催した。知的で豊かな社会実現を目指して2005(平成17)年に定められた同法の意義について考える企画で、図書館や出版の関係者ら約70人が参加。文字・活字文化の重要性などについて意見交換した。(山根陽一)

 開会に先立ち、神達学長は「デジタル社会の影響を考慮しながら、改めて文字文化の意義を問い直す機会となる。大学教員にとっても関わりの深いテーマだ」と述べた。

 このほか、活字文化議員連盟事務局長の笠浩史衆院議員(立民)、公益財団法人文字・活字文化推進機構理事長の山口寿一読売新聞グループ本社社長らがあいさつした。

 元総務相・鳥取県知事の片山善博大正大学地域構想研究所長が「『本好き』を増やすために私たちには何ができるか」の表題で基調講演。都心の大学付近でも書店が激減し、読書量が少ない政治家が増えた現状を憂慮した上で、読書は対話や理解の能力、忍耐力が身に付くと指摘した。

基調講演する片山所長
基調講演する片山所長

 また、「本好き」を増やす方策として、子どもが興味を持つ本を何度も読ませる▽学校で「朝読書」を推進する▽リアルの書店で書籍を購入、注文する▽図書館は特定の分野に特化する─ことなどを挙げた。

 続いて行われたシンポジウムでは「タイパ(タイムパフォーマンス)、コスパ(コストパフォーマンス)にとらわれない読書こそ価値がある」と話す稲井達也大正大学付属図書館長を進行役に、4人の識者が登壇し意見を述べた。

 作家で明治学院大学教授のドリアン助川氏は、会員制交流サイト(SNS)の普及で若い世代は文字を使う機会は増えている一方、新聞や書籍を読まずに同世代間でやりとりしていると指摘。その上で「読書は文化創造の源泉だ」と強調した。

ドリアン助川氏(左)らがシンポジウムで討論を行った
ドリアン助川氏(左)らがシンポジウムで討論を行った

 文部科学省総合教育政策局の髙田行紀地域学習推進課長は、図書館や出版の関係者は学校図書館に頻繁に通い、校長に強く働き掛けることが大切だと提言した。

 河出書房新社の岡垣重男取締役は「手に取ってインクのにおいを感じながら読むプリントメディアは、五感に響く強さを持ち、能動的に楽しめる」と強調した。

 豊島岡女子学園中学・高校の髙司陽子司書教諭は、校内で実施する「読み聞かせボランティア」や「哲学カフェ」、書評をし合う「ビブリオバトル」などで本に親しむ施策の現状を語り、「図書館が子どもにとって当たり前の居場所になってほしい」と述べた。

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