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触法障害者の対応学ぶ 大阪・渋谷弁護士が講演

2025年11月5日

※文化時報2025年9月5日号の掲載記事です。

 もし知的障害や精神障害のあるわが子が、何かの拍子に逮捕されたら―。法律に触れた「触法障害者」はどのような刑事手続きを受けるのかを学ぶセミナーが8月26日、大阪市立青少年センター(大阪市東淀川区)で開かれた。弁護士で社会福祉士の渋谷(しぶたに)有可さん(大阪弁護士会)が講師を務め、障害のある子の家族や福祉現場で活動する支援者・僧侶ら20人以上が熱心に耳を傾けた。

 一般社団法人「親なきあと」相談室関西ネットワーク(藤原由親・藤井奈緒代表理事)が主催する月1回の定例セミナー。障害者の中には、不審者扱いされた経験があったり、自分のことをうまく説明できなかったりする人もおり、この問題に対する親たちの関心は高い。このため、障害者の刑事弁護や更生支援についても熱心に取り組んできた渋谷さんを講師に招いた。

(画像:セミナーを受講する障害者家族や支援者たち)
セミナーを受講する障害者家族や支援者たち

 渋谷さんは、ネコやイヌ、ウサギなどの動物のキャラクターを登場人物に使って、職務質問・任意同行から逮捕・起訴、判決に至るまでの刑事手続きを、分かりやすく解説。逮捕された場合には、「障害特性に配慮した弁護がなされるためにも、ご家族や支援者が速やかに『当番弁護士』を呼んでくださることが望ましい」と話した。

 また、「逮捕・勾留されなければ弁護の必要がないとは限らない。どの段階でも弁護士に相談してもらって構わない」と強調。事例と合わせて、大阪弁護士会が設けた高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」などについても紹介した。

 渋谷さんは「触法障害者の弁護では、刑罰を軽くするだけでなく、本人の生活環境を整えることで更生支援に取り組むケースもある」と話し、福祉現場の支援者との連携の必要性も語った。

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