2026年4月7日
※文化時報2026年2月24日号の掲載記事です。
死生観をフラットな視点で語り合う滋賀県主催の「死生懇話会」が7日、県庁新館(大津市)で開かれ、東寺真言宗大本山石山寺(同市)の鷲尾龍華座主と漫画家・作家の吉本ユータヌキさんが講演と対談を行った。会場とオンラインで約80人が耳を傾け、意見交換した。

死生懇話会は、死を考えることが生を充実させるという発想から、三日月大造知事の発案で2021年3月に始まった。有識者による議論のほか県民向けのトークライブ、参加者が自由に語り合うサロンなどを開いてきた。
今回は「今の時代に『死ぬ』『生きる』をみんなで考えることの意味」と題して開催。鷲尾座主は、ペットの小鳥の弔いで死生観を考えるようになった幼少期の記憶をたどり、「死ぬことが怖くない人はいない。今を生きているから、いつか死ぬことを考えられる。命に感謝したい」と述べた。
吉本さんは父親との関係に悩み、距離感を探りながら看取(みと)るまでの経験を振り返った。「昔の自分なら生きるとはこうだ、死ぬとはこうだと無理に答えを出していた。すぐに結論を出さず、これからも考え続けたい」と話した。
参加者からは「死について誰かに話すことで、自分がどうしたいのかが見えてくるのが死生懇話会の意義だと思う」「人工知能(AI)との壁打ちよりも、答えが出ない会話の方がいいかも」といった意見が上がり、司会を務めた滋賀県立大学地域共生センターの上田洋平特任講師は「日々の生活で少しでも命について考えて話すことが大切」とまとめた。
