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ダブルケアに理解を 子育てと介護が同時進行

2026年4月6日

※文化時報2026年2月24日号の掲載記事です。

 子育てと介護が同時進行する「ダブルケア」への理解を広めようと、大阪市城東区のクレオ大阪東(大阪市立男女共同参画センター東別館)で14日、「ダブルケアフェスティバル2026」が開かれた。市民ら約50人が来場し、コンサートを楽しみながら講演などで学びを深めた。(主筆 小野木康雄)

 ダブルケアに携わる人々の居場所づくりや相談支援を行っている一般社団法人君彩(きみどり)(宮内葉子代表理事、大阪市城東区)とクレオ大阪東が毎年開催。ダブルケアの認知度向上と支援の充実を目指すとともに、当事者が笑顔になれるひとときを提供している。

(画像アイキャッチ兼用:講演などが行われたダブルケアフェスティバル2026=大阪市城東区のクレオ大阪東)
講演などが行われたダブルケアフェスティバル2026=大阪市城東区のクレオ大阪東

 最初に登壇した宮内代表理事は、15年間に及ぶ自身のダブルケアの経験から、当事者が孤立しやすい現実を痛感し、寄り添う団体をつくろうと君彩を立ち上げたと明かした。「時間とエネルギーを使うケアほど、周囲から見えづらくなる」と強調。当事者は目の前の忙しさだけでなく、「この先どうなるのか」「自分が倒れたらどうすればいいのか」という不安がつきまとっていると語った。

 続いて一般社団法人親なきあと相談室関西ネットワーク(同市東淀川区)の藤井奈緒代表理事が講演。重度の知的障害のある長女(22)と発達障害のある次女(16)の母親として、障害の程度や有無に関係なく子育ては大変であり、ケアとして認められるべきだと訴えた。

 また、制度があっても使えるかどうかは別だとして、ちょっとした相談をしたり不安を聞いてもらったりする心の寄る辺が必要だと指摘。一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室(京都市下京区)の理事兼アドバイザーとしての活動も紹介し「最後は制度や契約ではなく、ご縁に救われる」と語りかけた。

(画像:講演を終え、藤井奈緒代表理事と対談する宮内葉子代表理事(左))
講演を終え、藤井奈緒代表理事と対談する宮内葉子代表理事(左)

全国で推計25万人超

 ダブルケアは『ひとりでやらない育児・介護のダブルケア』(ポプラ社)の共著者である横浜国立大学の相馬直子教授と英ブリストル大学の山下順子講師が提唱した。子育てと介護の同時進行に加え、家族・親族の中での複数のケア関係を示す用語でもある。

 2016(平成28)年の内閣府男女共同参画局による調査では、ダブルケアに携わる人は全国に25万人以上いると推計された。このうち女性は約16万8千人。晩婚化と高齢化の進行により、さらに当事者が増加している可能性もあるという。

 宮内さんによると、相談支援を行う団体は全国十数カ所あり、ダブルにちなんで2月2日を「ダブルケアの日」、2月を「ダブルケア月間」と銘打って啓発に努めている。宮内さんは「ケアは一人では回しきれない。社会全体でもっといいケアができるよう、当事者の声を届けたい」と話している。

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