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お寺と福祉の情報局

お盆はいつから? 誰のためにあるの?

2024年7月19日 | 2024年7月24日更新

 毎年8月13日から16日にかけて行われる「お盆」。2024年ももちろん、8月13~16日がお盆期間で、お盆休みもこの日程を中心にしている会社がほとんどです。

 13日の迎え火で先祖や大切な人を迎え、16日の送り火でお送りします。京都市で8月16日に行われる五山の送り火は、お盆の締めくくりとして行われる行事です。

 しかし、地域によっては7月に行うところもあるんです。

お盆のお墓参り(イメージ画像)
お盆のお墓参り(イメージ画像)

 元々、お盆は旧暦の7月13日から16日にかけて行われていました。明治時代に旧暦から新暦に移行したことで、新暦にのっとり7月にお盆を行う地域と、それまで通りの時期に当たる旧暦7月=新暦8月に行う地域に分かれたのです。

 新暦の7月13日から16日にかけて行われるお盆を「新暦盆」といいます。東京・金沢・函館などの一部地域で行われています。

 一方、新暦の8月13日から16日にかけて行われるお盆は「旧暦盆」と呼ばれ、主に地方で行われています。一般的にお盆というと、この時期のことを指すことが多いです。

 また旧暦の行事が色濃く残る沖縄などの地域では、旧暦の日付に忠実に従うため、毎年お盆の日付が変わります。

 このように、お盆が行われる時期は地域によって違いますが、普段は離れ離れになっている親戚が集まり、亡くなった家族や先祖をしのぶことでは共通しています。

 では、この行事のルーツはどこにあるのでしょうか?

家族思いが裏目に出た母親

 お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」、サンスクリット語のウランバナ(逆さづりの意味)を音写したものです。

 この言葉は『仏説盂蘭盆経』の「目連救母」のエピソードに登場します。

 お釈迦様の十大弟子の一人である目連尊者(もくれんそんじゃ)は、「神通第一」と呼ばれるほど神通力の強いお坊さんでした。

 ある時、目連尊者が亡くなった母の姿を神通力で見ると、母は全ての食べ物が火となって燃え上がる餓鬼道で、飢えと渇きに苦しんでいました。

 餓鬼道は強欲な人が落とされる世界です。目連尊者の母は家族を慈しむあまり、それ以外の人間をないがしろにしたため、この餓鬼道に落ちてしまったのです。

目連尊者に相談を受けたお釈迦様は、こう答えました。

 「夏の修行が終わる7月15日に、飢えに苦しむ僧侶たちへ多くの供物をささげなさい。その功徳によって餓鬼道にいる母も救われるでしょう」

 目連尊者がその言葉通りにお布施をすると、母は長い苦しみから救われたといいます。

 亡くなった家族を供養するために行われるお盆ですが、その起源となったのは、自分や家族以外の他者に尽くす「利他」の心だったのです。

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