2025年7月7日
※文化時報2025年6月3日号の掲載記事です。
大阪・夢洲(ゆめしま)で開催中の大阪・関西万博会場内で5月17日、宗教施設での子ども食堂や防災・復興支援について考える講演と対談が行われた。防災拠点としての寺社の活用に詳しい大阪大学大学院の稲場圭信教授(宗教社会学)と、子ども食堂を運営する真宗大谷派西照寺(日野直住職、石川県小松市)衆徒の日野史さんらが、宗教施設に求められる役割などを話し合った。

認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ(東京都渋谷区)が行った。講演には、稲場教授とむすびえディレクターの森谷哲さんが登壇。稲場教授は、避難所などの防災拠点となっている宗教施設が推計3千カ所に上るという2024年の調査結果を紹介した。
森谷さんは、むすびえの同年の調査で初めて子ども食堂が1万カ所を超え、全国の中学校の数を上回った点を紹介。寺社のさらなる協力に期待を示した。
対談には、日野さんとかなざわっ子nikoniko(ニコニコ)倶楽部(金沢市)理事の喜成清恵さんが加わり、能登半島地震での取り組みに言及。日野さんは地震発生5日後の昨年1月6日から、自坊と被災地を往復して支援に当たっており、喜成さんも日野さんとの縁で、寺院を拠点にして支援を行うようになったという。
日野さんは「南海トラフ巨大地震が起きたときには自坊で100人の避難者を受け入れようと考えていた。それでも能登半島地震が起きたときは対応に追われた」と振り返った。
一方、稲場教授は「お寺は地域のコミュニティーの拠点として機能してきた。南海トラフ巨大地震では避難所が圧倒的に不足しており、自治体は公益法人としてお寺に着目する必要がある」と提言した。