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終活相談の心構え学ぶ 武藤頼胡氏招きセミナー

2025年10月8日

※文化時報2025年7月22日号の掲載記事です。

 僧侶だけでは対処できない終活の問題に、専門職と連携して取り組む一般社団法人終活駆け込み寺(上原慎勢代表理事)は8日、上原代表理事が住職を務める真言宗泉涌寺派城興寺(京都市南区)で、会員寺院向けセミナーを開いた。終活カウンセラーの生みの親として知られる武藤頼胡氏が「今後寺院で取り組むべき終活相談対応力」と題して講演。約20人が終活相談の心構えを学んだ。

 武藤氏は、一般社団法人100年時代支援機構終活研究会の上席研究員で、一般社団法人相続診断協会の顧問を務めている。

(画像:「『まだ早い』と思ったときが終活の適齢期」と語る武藤氏)
『まだ早い』と思ったときが終活の適齢期」と語る武藤氏

 講演では、まず「自分が大切にしてきた知識や家訓などを後世に伝えるのも終活だ」と強調。65歳以上が1人で暮らす単身高齢者世帯が、昨年6月時点で900万世帯を超えたとする厚生労働省のデータなどを示し、「お葬式だけでなく、生活の場面で寺院の役割が重要になる」と期待感を示した。

 具体的には、困り事の相談を受ける際にただ相づちを打つだけでなく、一歩踏み込んだ質問ができるようになることが重要だと指摘。「自分が全部の専門家になれなくても、つなぐまでの知識は持っておいた方がいい。終活はつなぎ役になれる」と助言した。

 また、「『まだ早い』と思ったときが終活の適齢期。病気になってからではなく、何でもないときにするのが終活だと思ってほしい」と語り掛け、長生きをリスクと捉えず楽しめるよう取り組むことを求めた。

超宗派で11カ寺参加

 終活駆け込み寺は、上原代表理事らの呼びかけで、2013(平成25)年に活動を開始。全国11カ寺が超宗派で参画し、弁護士、司法書士、行政書士、税理士らがチームに加わっている。セミナーを年1回開き、専門職を交えた勉強と交流を行っている。

会員寺院は随時募集している。問い合わせは城興寺(075―691―3614)へ。

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