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本堂に笑顔の連鎖 遍満寺「みんな食堂」盛況

2025年11月13日

※文化時報2025年9月16日号の掲載記事です。

 生後9カ月の赤ちゃんから94歳のお年寄りまで、まさしく老若男女が本堂に集まった。大阪市西淀川区の浄土真宗系単立寺院・遍満寺が開いた「みんな食堂」。初の企画だったにもかかわらず、つながりがつながりを生み、参加者は約60人に上った。河野清麿住職(55)は「お寺の役割は昔から何ら変わっていないことを再認識した。楽しい場所を提供できてよかった」と、にぎやかな夏の一日を振り返った。(松村一雄)

つながり×つながり

 「みんな食堂」の企画が持ち上がったのは6月ごろ。大阪市平野区で子ども食堂を運営する「星の地図」(大阪府大東市)代表の加木直美さん(55)とつながったことがきっかけだった。

 河野住職と加木さんの双方と交流があり、介護を快くして〝快護〟に変えていこうと活動する「快護応援団」(大阪市福島区)実行委員長の八田享子(やつだたかこ)さん(55)が間に入ったという。

 加木さんは「八田さんとの会話の中で河野住職の話が出てきて、いい人そう」と直感。平野区の子ども食堂を遍満寺でやらせてもらえないか、との考えが浮かび、八田さんを通じて相談したことから3人の縁ができたという。

(画像:河野住職(中央)と八田さん(左)、加木さん)
河野住職(中央)と八田さん(左)、加木さん

 八田さんは「子ども食堂ではなく、みんなが来てくれる『みんな食堂』の方がいい」と提案。とんとん拍子に話が進み、開催日が8月21日の夕方に決まった。

食で広がる会話

 「大人がメインになったらまずい。自己満足で終わらなければいいのだが」。河野住職の不安は、加木さん、八田さんの奮闘で一蹴された。

 八田さんは周辺のデイサービスや保育所、病院などに飛び込みでビラを配布。その結果、多くの子どもたちが門をくぐった。加木さんは無農薬のタマネギを持参し、お米は支援を受けた。

 食事のメインは唐揚げで6キロを準備。すき焼き風に炊いたおかずやコールスローサラダなどを添えて提供した。お母さんから「行っといで」と言われた小学生や、法事には来ないという門徒の高齢女性も訪れ、よもやま話に花を咲かせた。

(画像アイキャッチ兼用:子どもから大人までが一堂に集まった「みんな食堂」)
子どもから大人までが一堂に集まった「みんな食堂」

 最初はぎこちなくしていた人たちも、食を通して周りと打ち解け、ゲームで遊ぶ子どもたちの笑い声に誘われるように会話の輪が広がった。小さなテーブルと座布団で対応したのも奏功し、畳の上を走り回る子どもたちの姿もあった。

次回開催に意欲

 遍満寺は西淀川区姫島の〝灯台〟のような存在として約500年の歴史があり、「会話・約束・記憶・儀礼(物語)」を大切に受け継いできた。夏休み期間中に子どもたちが早起きしてお寺に集う「朝起き会」は、実に103年続いているという。

(画像:約500年続く遍満寺)
約500年続く遍満寺

 河野住職は月参りを大切にし、何げない会話を重ねることで門徒との信頼を築いてきた。コロナ禍でも欠かすことはなく、最初は「あんた、来るんか」と迷惑そうにしていた門徒も、2カ月もすると歓迎してくれるようになったという。「むっちゃしゃべりはって、コロナ前よりも長居していた」と振り返る。

 近年は、葬祭ディレクターや医療関係者らでつくる「野辺のおくり研究会」のメンバーとして、お寺で行う葬儀にも力を注ぎ、老後の生活や看取(みと)りのサポートも積極的に行っている。

 今回の「みんな食堂」について、河野住職は「みんなで集まって食べてしゃべって笑う。やっていることは昔と変わらない。見せ方、やり方が変わっただけ」と話す。

 加木さんは「感動があった。お寺の空間は気持ちが通う」。八田さんは「田舎に帰ってきた感じがして、すごくうれしかった。畳の空間が楽しかった」と感想を語った。河野住職は、お寺だけでは無理なことも他の団体と協力すれば可能になると考えており、次回の開催にも意欲を示している。 

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