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時間銀行・協同労働…新たな経済システム提言

2026年1月21日

※文化時報2025年11月25日号の掲載記事です。

 社会課題に取り組む市民団体と、団体に土地や建物を提供する浄土宗寿光院(東京都江戸川区)・見樹院(同文京区)をつないで市民による活動を支える一般財団法人リタ市民アセット財団(藤居阿紀子代表理事)は9日、東京都内でシンポジウム「市民が社会を変える~自治するコミュニティの可能性」を開催した。

 利潤追求に終始する市場経済が格差や貧困を生み出すとして、市民社会が中心となって新しい経済システムを模索する動きを、識者2人が伝えた。

 スペイン語圏で活躍するフリージャーナリストの工藤律子さんは、スペイン北東部バルセロナの取り組みを紹介。さまざまな産業の協同組合や非政府組織(NGO)、住民組織が連帯し「もう一つの経済」を築いていると述べた。

(画像アイキャッチ兼用:スペインの市民社会について紹介する工藤さん)
スペインの市民社会について紹介する工藤さん

 具体的には、お金ではなく時間を貸し借りできる「時間銀行」や、不動産価格の高騰を防ぐため市が土地を管理する施策などがあると指摘。既成政党に任せず市民政党が活発に動き、出身や年齢、宗教を問わず受け入れる仕組みを構築することで「市場経済の代替システムを目指している」と語った。その上で「お金よりも愛が大切と誰もが言える社会をつくろう」と呼びかけた。

 立教大学コミュニティ福祉学部教授の藤井敦史さんは、資本主義経済の代替案として注目される「社会的連帯経済」をテーマに講演した。

(画像:社会的連帯経済について解説する藤井さん)
社会的連帯経済について解説する藤井さん

 社会的連帯経済の特長として、私的所有からコミュニティーの共有へ▽株式会社中心からNPO、協同組合中心へ▽指揮命令の雇用労働から労使関係がフラットな協同労働へ▽効率性・生産性の重視から人間と自然の共生、ケアの倫理や利他を優先する持続可能性を重視へ―などを挙げた。こうした社会を実現するには「仏教の縁起という思想が役立つ可能性がある」と提言した。

 寿光院・見樹院の大河内秀人住職は「新しい仕組みはつながりの中でしか生まれない。まずは住まいにかかるコストを下げるため、拝金主義からの脱却が重要だ」と訴えた。

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