2026年1月24日
※文化時報2025年11月25日号の掲載記事です。
京都府亀岡市の浄土宗光忠寺(齋藤明秀住職)は15日、十日十夜法要=用語解説=に合わせ、講演会「仏教と心理学からみた幸せ」を開催した。心理学者で浄土宗晴明寺(同市)の真田原行住職が登壇し、脳がどう働くことで苦を感じ、それを仏教がどのように解消していくのかを考察した。(大橋学修)
法要は、齋藤住職の導師で真田住職が式衆となって行われ、檀信徒ら十数人が木魚を打ちながら、30分余りにわたって念仏を唱え続けた。法要後の法話で齋藤住職は「念仏の〝念〟は、サンスクリット語で認識することを意味する。いろいろな気付きを得てほしい」と話した。

真田住職は、人間のものの捉え方について解説。目や耳で得た情報を、脳が神経を通じて信号として受け取り、世界の様相を想像しているだけだと指摘し「人間は、ものの実体を捉えていない」と伝えた。
また、最新の心理学で考えられる脳の主な仕事は、脳で生成した世界観と実体との誤差を修正することだと解釈されており、ずれが生じている状態が苦しみであると説いた。
それを解消する方法の一つとして、仏教で行う瞑想(めいそう)が有効であると強調。前頭前野部の活動が盛んになり、脳の他の部分と連携が活発になることで、実体を捉えやすくなるためだと述べた。
感謝することでウェルビーイング=用語解説=が向上することにも言及。「日常の出来事を当たり前のことと捉えず、ありがたいものと定義することで、期待値が下がって幸福度が上がる」と話した。
【用語解説】十日十夜法要(じゅうじつじゅうやほうよう=浄土宗)
旧暦10月5日夜から15日朝の十日十夜にわたって念仏を唱える浄土宗の法要。『無量寿経』の「十日十夜すれば、他方諸仏の国土において、善を為すこと千歳するに勝(すぐ)れたり」に基づく。現在は10~11月に行う秋の恒例行事になっており、「お十夜」「十夜会」「十夜法要」「十夜講」「十夜念仏」などと呼ばれる。
【用語解説】ウェルビーイング(well-being)
一人一人が健康である状態。身体的な健康だけではなく、精神的・社会的にも満たされている状態にあることを指す。持続可能な開発目標(SDGs)で17の目標の一つとして掲げられている。人生100年時代に向けて、全ての人が自分らしく健康でいられる社会の実現が図られている。