2025年10月2日
この世に客に来たと思えば何の苦も無し
――戦国大名、伊達政宗(1567~1636年)

「独眼竜」のあだ名で知られる伊達政宗は、若くして家督を継いでから奥州を平定する野心家でした。豊臣秀吉による天下統一後も上手く立ち回り、領地や立場を守りました。
今回紹介する言葉は、政宗がのこしたとされる『五常訓』の一節です。『五常訓』は儒教の「五徳(仁・義・礼・智・信)」の教えに基づき、戦国の世を生き抜くための心得が書かれています。
「仁に過ぎれば弱くなる」=優しすぎると、相手を増長させる。
「義に過ぎれば固くなる」=正しさにこだわりすぎると、視野が狭くなる。
「礼に過ぎれば諂(へつら)いとなる」=礼儀正しすぎると、かえって信頼関係が築けない。
「智に過ぎれば噓(うそ)をつく」=賢すぎると、相手をだますことも容易になる。
「信に過ぎれば損をする」=相手を信じすぎると、簡単に裏切られてしまう。
その後に続くのが、「この世に客に来たと思えば何の苦も無し」。自分の思い通りにならないことがあったとしても、客としてこの世に生まれてきたと思えば受け入れられるという言葉です。
誰かの家に招かれたとき、少し嫌な思いをしても飲み込む人が多いのではないでしょうか? 逆に素敵なおもてなしをされると、感謝の気持ちが湧き上がってきますよね。
不条理な現実は変えられなくても、自分の気持ちは切り替えられる。そのマインドを持つことができた政宗は乱世を生き延び、70歳(満68歳)で病死したとされています。