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お寺と福祉の情報局

ガレージで寝起きも…自宅暮らしは本当に幸せか

2025年12月3日

 「住み慣れた自宅で最後まで暮らしたい」と誰もが希望します。しかし、実際にはなかなか難しいものです。

ガレージ(イメージ)
ガレージ(イメージ)

 その理由の一つが住宅事情です。特に日本の都市圏は狭小な住宅が多く、支援や介護が必要な高齢者が暮らすのには不便なケースが少なくありません。特に、高齢者は脚から衰えることが多いので、階段が大きなハードルになります。

 都市部の住宅密集地には、1階がガレージで2階以上が住まいとなっている建物があります。ある高齢女性は次男と2人でこうした家に住んでいました。

 しかし、90歳を過ぎたころから脚が弱り、ガレージから屋内に上がれなくなってしまいました。次男も身体障害があり、母親を介助しながら階段を上り下りするのは不可能な状況です。

 家で過ごしたいが家の中に入れない母親は、何とガレージにベッドを置いて寝起きするようになりました。気候のいい時期ならまだしも、夏や冬に空調がないガレージで過ごすことは、命の危険につながります。周囲の説得もあり、熱中症を避けるために夏だけは介護老人保健施設に入ることになりました。

 そして退居後は「やはり今の家では生活は難しい」と実感し、隣の市に住む長男との同居を選びました。長男は、それまで実家にあった仏壇を運んで、ベッドの上にいながらでも亡父の遺影が見える場所に置くなど、母親が安心して過ごせるよう工夫しました。

 人生の終末期を考える場合、「どこで」という場所ばかりがクローズアップされますが、そこが最適な場所とは限りません。

 「大切なのは『場所』ではなく『本人をはじめ、関わる周囲の人たちの気持ちや思いがかなえられる環境であるかどうか』ではないでしょうか」と、この女性を担当したケアマネジャーは語っていました。

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