検索ページへ 検索ページへ
メニュー
メニュー
TOP > 福祉仏教ピックアップ > 『文化時報』掲載記事 > 障害ある子の健康守る FMCAが講演会

つながる

福祉仏教ピックアップ

障害ある子の健康守る FMCAが講演会

2025年1月19日

※文化時報2024年10月29日号の掲載記事です。

 障害のある子を持つ母親らでつくる「スペシャルニーズのある人のやさしい医療をめざす会」(FMCA、中井美恵・吉田琴美共同代表)は18日、大阪市東淀川区の市立青少年センターで講演会を開いた。一般社団法人親なきあと相談室関西ネットワークの代表理事でFMCA役員の藤井奈緒さんが登壇。「親なきあと」に際し、わが子の健康をどう守るかをテーマに語った。(主筆 小野木康雄)

 藤井さんには、重度の知的障害者の長女(21)がいる。生まれたときからワンストップで診察してくれた小児医療の専門病院から、そろそろ他の病院を探すよう求められた。障害のある子たちが18歳になると、親たちはこうした問題によく直面するという。

 講演では、男性81歳、女性87歳という日本人の平均寿命について、障害者は10~20歳程度短いのではないかという専門家の見方を紹介。「こんな残念なことはない。一般の人よりもたくさん病気をして寿命が縮むという現状を、何とかしなければならない」と訴えた。

 その上で、短命といわれる要因に、ストレスや運動不足、偏食などがあると指摘。意思決定ができないことや「助けて」と伝えられないこと、服薬の問題については、改善に向けて今すぐ実行できることがあると強調した。

 具体的には、どんなに重度の知的障害があっても必ず本人に確認することや、健康なときの状態を詳細に記録して体調悪化に気付いてもらえるようにすることなどを挙げた。

「当たり前の健康を、当たり前の医療で守ることが大切」と訴える藤井さん
「当たり前の健康を、当たり前の医療で守ることが大切」と訴える藤井さん

 一方で「これまでは打つ手がないと思って、わが子が健康で長生きすることを、どこかで諦めていたかもしれない」と胸中を吐露。「それではあまりに本人がかわいそう。当たり前の健康を、当たり前の医療で守ることが大切。社会に理解がないのなら、私たち親が声を上げて、社会を動かさなければならない」と力を込めた。

誰にとっても医療は必要

 FMCAは「誰にとってもやさしい医療」の英語(Friendly Medical Care for All)の頭文字。会の名称にもあるスペシャルニーズは、障害のある人や医療的ケアが必要な人、高齢者や子ども、妊婦、外国人など、特別な配慮が必要な人を指す。今年4月に発足し、7月にキックオフイベントの動画配信を行った。

 今回の講演に先立ち、公認心理師でFMCA役員の佐々木康栄さんはビデオメッセージで「活動を始めたばかりの小さな団体だが、チャレンジしていることは大きい。誰にとっても、将来にわたって安心して暮らしていくには医療が欠かせない。課題に向き合って未来を切り開く仲間をつくりたい」と呼び掛けた。

 これ以降も定期的に講演会を開いていく予定。合わせて活動を支える会員も募集している。問い合わせは事務局(072―965―4608)へ。

おすすめ記事

error: コンテンツは保護されています