2025年3月20日
※文化時報2025年1月17日号の掲載記事です。
龍谷大学大学院実践真宗学研究科で、亡くなった赤ちゃんのために数珠を作る「JU―ZUプロジェクト」の授業が行われた。院生らは死産経験者の話を聞き、実際に数珠を作ることで、活動への理解を深めた。
同団体の理事長を務める岩井未来特任教授と森田敬史特任教授のゼミが合同で実施し、9人が参加。死産流産経験者の自助グループを立ち上げた小原弘美さんが、妊娠41週で息子を死産した経験を語った。
小原さんは「何のために生きているのか」「どうして自分と息子がこんな目に遭わなければならないのか」といった当時の気持ちを振り返り、「もう二度と笑えないだろうと感じるほどの苦悩を抱え続けた」と明かした。その上で、どのような言葉をかけられたらつらいか、うれしいかを伝え、「赤ちゃんを一人の人として大切に扱ってくれるとありがたい」と語った。
数珠作りでは、赤ちゃんの体の大きさに合わせられるよう、さまざまなサイズのビーズを使い、糸を通すのに苦戦しながら思いを込めて仕上げていった。
岩井特任教授によると、数珠は火葬の時に一緒に入れて送り出す場合もあれば、その子の代わりとして持ち歩いたり飾ったりする人もいるという。小原さんは「つながりを感じられるものがあると、生きる力になる」と話していた。