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実践的な傾聴、自死・自殺相談員から学ぶ

2025年7月12日

※文化時報2025年4月15日号の掲載記事です。

 浄土真宗本願寺派の僧侶らがメンバーとなっている認定NPO法人京都自死・自殺相談センター(Sotto)は3月23日、臨済宗妙心寺派大本山妙心寺(京都市右京区)塔頭(たっちゅう)の長慶院(小坂興道住職)で、実践的な傾聴を学ぶ研修会「聴き方のお稽古」を開いた。13人が参加し、気持ちを言語化したり愚痴を聞き合ったりする体験をした上で、死にたい気持ちを相談するロールプレー方式のトレーニングを行った。(大橋学修)

 気持ちを言語化する体験は4人1組に分かれて行った。自分の感情の変化を捉えながら「ドキドキ」「ざわざわ」などと付箋に書き込み、仕分けして共有。グループ別の発表では、「死んでもいい」という言葉は心が最高潮に達しているときにも使えるとの指摘があり、表現の多様性を実感し合った。

(画像参加者:気持ちを言語化して発表する参加者)
気持ちを言語化して発表する参加者

 愚痴を聞き合う体験では、2人1組で聞き役と話し役に分かれ、別の人にも同じ愚痴を伝えることで、話の聞き方の違いや聞いてもらった自分の気持ちの変化に着目した。

 Sotto理事も務める小坂住職は「普段は気持ちに目を向けずに生活しているが、今日のようなトレーニングを続けると、話が聞けるようになる」と語った。

温かい関係性つくる

 Sottoは自死・自殺の原因となる苦しみを軽減することよりも、「死にたい」という気持ちを肯定する点を重視している。

 研修の冒頭で小坂住職は「自死を忌むべきものとすれば、かえって孤独に追い込んでしまう。悲しい、苦しい、つらいを一つ一つ丁寧に受け止め、温かい関わりを提供する。その上で死を選んだとしても、その選択を大切にすることが必要だ」と述べた。

 また、「温かい関わり」をつくることは、人がどういう態度を取られれば傷つくのかに焦点を当てることであると説明。「何度も焦点を当てることで、どういう態度で人と関わればいいのかが分かる」と伝えた。

(画像アイキャッチ兼用住職:傾聴の在り方を説明する小坂住職(左)と安部住職)
傾聴の在り方を説明する小坂住職(左)と安部住職

 Sotto相談員で本願寺派明専寺(山口県長門市)の安部智海住職は「気持ちをそのまま受け止めることが大切。否定される不安を持ちながらも、気持ちを受け止めてもらうと心が温かくなる」と説いた。

 その上で「まず自分の心の変化を捉え、自分と同じく相手の気持ちも当然のように変わるのだと実感してほしい。相手を知る前に自分を知る必要がある」と呼び掛けた。

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