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性的少数者の排除に警鐘 寛容度、国内でも格差

2025年9月28日

※文化時報2025年7月4日号の掲載記事です。

 曹洞宗は6月24日、宗務庁で宗議会議員向けの人権学習会を開催し、「多様な性と性的マイノリティー」をテーマに性的少数者=用語解説=の当事者である前川直哉福島大学准教授が講演した。(山根陽一)

 前川准教授は『〈男性同性愛者〉の社会史―アイデンティティの受容/クローゼットへの解放』(作品社)などの著作があり、市民団体「ダイバーシティふくしま」共同代表を務めている。

 

人権学習会で前川直哉福島大学准教授の講演を聞く宗議会議員ら
人権学習会で前川直哉福島大学准教授の講演を聞く宗議会議員ら

 

 講演では、性的少数者の多様性や派生する人権問題の概要を説明。その上で、日本では若年層、女性ほど寛容度が高く、都市と地方の格差にも触れた。世界の現状にも言及し「欧州を中心に同性婚を認める国が多く、イスラム教の国では宗教上の理由で同性愛に不寛容な国が多い」と伝えた。

 日本では、2024年6月現在でパートナーシップ認定制度=用語解説=を459自治体が導入し人口カバー率が85.1%にも及ぶが、「自分の家族が性的マイノリティーだったら?」との質問には「嫌だ」と回答する人が多いという。

 性的志向に関する悩みにも触れ「周囲の無理解やからかいが多く、同性愛者と思われたくないため、無理して男らしく(女らしく)振る舞う人もいる」と明かした。同性愛者の自殺未遂リスクは異性愛者の5.9倍という統計も紹介した。

 寺院の課題となる戒名については「本人の希望、家族の意向とともに、周囲が性的少数者であることを知っているかどうかが重要」と指摘した。当事者で高野山真言宗僧侶の柴谷宗叔氏が住職を務める単立寺院、性善寺(大阪府守口市)を「マイノリティーが集える寺」として紹介した。

 最後に「おかしいのは当事者ではなく排除する社会の側。決めつけをやめ、傾聴と対話が重要」と訴えた。

 

【用語解説】性的少数者

性的指向や性自認のありようが、多数派とは異なる人々。このうちレズビアン(女性の同性愛者)、ゲイ(男性の同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(身体の性に違和感を持つ人)の英語の頭文字を取ったのがLGBTで、クエスチョニング(探している人)を加えてLGBTQと呼ばれることがある。

【用語解説】パートナーシップ認定制度

同性カップルがパートナー関係にあることを自治体の首長に宣誓し、婚姻に相当する関係と認められる制度。婚姻と同様の行政・民間サービスを受けやすくなる。2015(平成27)年に東京都渋谷区と世田谷区で初めて導入され、全国450以上の自治体に広がっている。

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