2024年3月6日 | 2024年7月9日更新
※文化時報2023年12月8日号の掲載記事です。
龍谷大学など3者で構成する「共創HUB京都コンソーシアム」と京都市は11月30日、市立芸術大学(京都市下京区)の隣接地に、新たな施設を建設する基本協定を締結した。芸術文化と経済の融合で、社会課題の解決につながる新産業の創出を目指す。(大橋学修)
市は今年10月、JR京都駅東側に広がる崇仁(すうじん)地区の再開発用地に市立芸術大学を移転した。これに先立ち、3月から大学の隣接地約4千平方メートルの活用方法を公募。3グループからの提案を審査した結果、龍谷大学、京都信用金庫、大阪ガス都市開発の3者でつくる「共創HUB京都コンソーシアム」を選んだ。
施設には、学生寮や社会人が暮らす賃貸マンションを設け、それぞれの交流を促すコミュニティマネージャーを配置。交流の中で見いだされた社会課題の解決に向けたアイデアを生み出し、ベンチャー企業の創設につなげる。創業資金や商機の獲得なども支援する。子どもたちの創造力育成に取り組むVIVITAや料理学校を運営するル・コルドン・ブルー、インドとの交流に取り組む日本インド文化経済センター、芸術作品の取引を手掛ける寺田倉庫などを誘致し、各分野との交流も図っていく。
入澤崇龍谷大学学長は、芸術家の思考を学んで新産業の創出につなげる京都信用金庫の研修事業「ベース・アート・キャンプ」を例に挙げ、「困難な課題解決には心の躍動が必要で、アートの創造性がそれを可能にする」と強調。京都信用金庫の榊田隆之理事長は、5年間で千件ほどの新規創業を目標に掲げ「人と人、事業と事業をつなげることがミッション」と話した。
建物は8階建て(高さ31メートル)で、1~2階の東側区域にアートスペースと料理学校、西側に京都信用金庫の創業支援ラウンジやシェアオフィスなどを配置。3~4階を交流空間に当て、5~6階を学生寮、7~8階を社会人向けの賃貸マンションとする。2025年度初旬に着工し、27年度中の完成を予定している。