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「産む」から「死ぬ」へ 應典院でむぬフェス

2024年7月26日

※文化時報2024年5月31日号の掲載記事です。

 大阪市天王寺区の浄土宗應典院(秋田光彦住職)は17~26日、「むぬフェス」を開催した。「産む」から「死ぬ」まで、生きることを巡るさまざまな問題を、展示やワークショップなどを通して考えるイベントとして、一般社団法人Deep Care Lab(京都市上京区)と共同で実施。多くの親子連れが訪れ、家族や命の在り方について考えた。

 18日に行われた「子育てから看取(みと)りまで、ともにある地域とコモンズ」と題したトークセッションには、約50人が聴講しグループで意見を共有し合った。

(画像:社会的共通資本について話す孫准教授(右)と占部氏)
社会的共通資本について話す孫准教授(右)と占部氏

 登壇した孫大輔・鳥取大学医学部准教授は、豊かな社会の形成に欠かせない要素として、自然環境やインフラ、教育や医療などを社会共通の財産とする「社会的共通資本」があるという考え方を紹介した。

 内科医で日本メメント・モリ協会代表理事の占部まり氏は、お寺が社会的共通資本そのものだと付け加えた。その上で、お寺は存在するだけで価値があり、「管理・運営する人がどのように高い倫理観で守っていくのかが重要になる」と伝えた。

 應典院とDeep Care Labは、秋田住職が2021年にインタビューを受けた縁で、理念に共感したことから協働を呼び掛けた。

 秋田住職は「本質的な『いのち』について考える場をつくれたことと、そういうことを考える方々が多く来られたのがうれしい」と話し、今後も継続する意欲を示した。

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