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子どもの権利条約 子ども自身が対話・提言

2024年6月2日

※文化時報2024年4月12日号の掲載記事です。

 佛教大学社会福祉学部の武内一教授ら研究チームは3月30日、キャンパスプラザ京都(京都市下京区)で、公開シンポジウム「子どもたち自身が話し合う『国連子どもの権利条約』」を開催した。高校生6人が、心の健康診断によるケアの実施など、条約で示された権利が守られるために政府に求めることを発表した。

(画像:子どもの権利条約に基づく提言を発表する高校生=3月30日、京都市下京区)
子どもの権利条約に基づく提言を発表する高校生=3月30日、京都市下京区

 子どもの権利条約は、正式には「児童の権利に関する条約」と呼ばれ、1989年の国連総会で採択された。日本は94年に批准したが、2019年の国連子どもの権利委員会による審査で、「子どもの意見尊重」などの緊急措置を行うよう勧告を受けた。

 こうした動きを受け、武内教授らは、9~18歳の子ども3~7人で構成するグループ38組を対象に、「子どもの権利対話」と題したグループワークを22年に開始した。各組に2~3条の条文を割り当て、子どもの権利が守られる上で必要と考える政策を、子どもたち自身にまとめてもらった。

 今回は、三つのグループが取りまとめの結果を発表した。

 東日本大震災で家族を亡くした子どもを支援する一般社団法人こころスマイルプロジェクト(宮城県石巻市)の活動に参加する子どもたちは、第6条「生きる権利・育つ権利」を担当。悩みを話す場がなく、自ら打ち明けられない子どもがいることを指摘した上で、心の健康診断を学校で実施するよう求めた。

 第27条「生活水準の確保」を担当した子どもたちは、学歴社会の解消や安心して暮らせる年金制度の確立などを提言。第12条「意見を表す権利」の子どもたちは、広報・広聴の必要性を訴えた。

 武内教授は「全54条のうち11の条文について話し合っており、残りも対話を進めていく。成果をまとめて周知を図りたい」と話した。

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