2025年10月22日
飲食店・物販店などでは人材募集に際して「タイミー」をはじめとするスポットバイトアプリを活用することが珍しくなくなりました。介護業界でも、施設のイベントなどで一時的に人手が必要なときや感染症で急な欠勤者が出たときなどに重宝されています。

多数の老人ホームを運営する介護事業者でも、こうしたスポットバイトを積極的に採用していました。ある日、それに応募してやってきた人を見てホーム長はびっくり仰天。なんと同じ会社の他のホームで働く現役社員だったのです。
「○○さん。どうしてここに?」
「今日、本当は休みなんですけど、予定がなくて暇だったので、アルバイトでもしようかなと。ここならば勤務先よりも家に近いですし」
この会社では、本業に影響が出ない範囲であれば、事前申請で副業を認めています。これまでも休日や退勤後にバイトアプリを使って他社の介護事業所で働く人はいましたが、自分が勤務する会社に来るのは初のケースでした。
「今、勤めている会社なら、マニュアルも雰囲気も分かっていますから、いきなり知らないホームで働くよりも精神的に楽かと思って…」
たしかに一理あります。そしてホーム側にとっても、自社の社員なら、事前に面接ができずどんな人が来るのか分からないというバイトアプリの大きなリスクが、ゼロになります。
そこで、社員に対して「バイトアプリを使っての自社内での副業を認める」と通達しました。すると、希望者が続々と現れたそうです。
そうなると、もったいないのがアプリ運営会社に支払う求人広告掲載料です。そこでこの会社では、自社内で完結するスポットバイトアプリの開発・運営を検討し始めたとのことです。