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「文化時報」コラム

〈79〉スピリチュアルケアの分化

2025年4月29日

※文化時報2025年2月7日号の掲載記事です。

 「スピリチュアルケア道」を探求しはじめて約15年。まだその道の千分の1ほどを歩いたにすぎませんが、さまざまな景色、音、香り、温度、想念が、この五感を通り抜けていきました。

傾聴ーいのちの叫び

 本来だったらたくさんの学びが残っているはずなのですが、生来ポンコツなので、ぽつりぽつりとかけらが手元に残っているだけです。なんとも網目の大きい笊(ざる)で、情けないやら呆(あき)れるやら。とはいえ、もともと「道」と認識し、今回の人生だけでは完遂し得ないと分かって歩きはじめたのですから、ぽつりぽつりでも儲(もう)けものだといえましょう。

 ぽつりの一つに、「スピリチュアルケアの分化」があります。

 これまで、終末期の方、自殺念慮のある方、死別の悲しみを抱える方、認知症の方、その他にもさまざまな方の想(おも)いに耳を傾けてきましたが、「スピリチュアルケア」という基本は変わらずとも、聴き方を若干変える必要があると感じてきました。それは、「看護」が長い歴史の中で、基礎看護を共通の礎としながら急性期看護、慢性期看護、小児看護、老年看護と分化し専門化していったのと同じ感覚です。

 今はまだ、「スピリチュアルケア」は明確には分化されてはいません。もちろん、それぞれの方面のエキスパートは存在します。存在しはするものの、その実際の「聴き方のコツ」を明文化できていないのが現状と言えましょう。

 実にもったいない。その「コツ」が知りたいのです。綺羅星(きらぼし)たちが「コツ」をのみ込んだまま消えていかないように、早急にひっつかまえて吐き出させないと!

 「スピリチュアルケア」の分化。各分野の聴き方のコツの明文化。そのあたりが私の次のマイルストーンでしょうか。はたして、今生でたどり着けるのかどうか…。まあ、それは見てのお楽しみ。ぼちぼちやっていきます。

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