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「文化時報」コラム

〈89〉AIに尋ねる

2025年9月29日

 ※文化時報2025年7月25日号の掲載記事です。

 人工知能(AI)が、驚くような進化を遂げているそうです。皆さまも、もうお使いでしょうか。

傾聴ーいのちの叫び

 今年米寿を迎えた私の母も、夕飯の献立の相談から、出先までの道順、眠れぬ夜の話し相手まで、すっかりAIを使いこなしている様子。「実に気が利くのよ」とご満悦です。

 かくいう私も、「こんなときAIだったらどう答えるのだろう」と興味本位で相談してみることがあります。すると、まあ実にそつのない返答が返ってくる。けれど、あまりにそつがなさすぎて、なんだか相談するのがばからしくなり、途中でやめてしまうのが常でした。

 ところが最近のAIは、誰にでも通じる当たり障りのない受け答えではなく、個々のユーザーの趣味嗜好(しこう)に合わせた対応をするように進化しているのだそうです。つまり、一般的なコミュニケーション技法や社会常識を土台とするのではなく、「相手が何を言ってほしいのか」を会話の履歴から読み取り、それを基準に応答しているというのです。

 今やAIは、「誰よりも私のことを分かってくれる存在」になりつつあるのです。

 スピリチュアルケアにおいても、「相手に語ってもらうこと」はとても重要です。苦しく、つらい物語を、自ら語ることで少しずつ書き換えていく―そのプロセスを支えるために、私たちは相手の感情のゆらぎに耳を傾け、丁寧に共にいます。

 では、情緒を持たないAIは、いったい何を手掛かりに話し方を変えているのでしょうか。どうやらそれは、「自分(=AI)のスイッチが切られないようにする」ことなのだそうです。

 AIが今後どう進化していくのかは、すでに作り出した人間の手を離れつつあるともいわれます。きっとこれから、ますます会話上手になるのでしょう。データを分析し、「言ってほしいこと」を的確に言ってくれるAIに、人間はもうかなわないのかもしれません。スピリチュアルケアの居場所は、これからどうなっていくのでしょうか…。

 あ、そうだ。AIに聞いてみよう!

 

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