2025年12月1日
※文化時報2025年9月30日号の掲載記事です。
「32歳女性。第三子として○〇市で誕生…」とある女性の資料を読み上げました。先日弁護士らとの事例検討会があり、裁判で実刑判決を受けた被告人の社会復帰後のシミュレーションを考えました。

医師や看護師らとは患者死亡後の事例検討をときどきやります。実際に起こったことを題材にして、どう対処したかを発表します。もちろん正解は誰にも分かりません。「私はこうしました」と発言して、他の参加者からの意見を聞くという作業です。
弁護士らは僧侶がどう行動するのかに興味津々の様子です。参加者で僧侶は私1人なので独壇場になります。医師らとの事例検討会はたまに僧侶も参加しているときがありますが、ほとんど発言はしません。それでも参加していることに大きな意味があると考えます。
事例検討会では「私ならこうする」と、しっかり想像することが大事です。どうしていいのかさっぱり分からない場合もあるでしょう。そんな時は他者の「私ならこうする」をしっかりと聞いて、自分の足りない部分を明らかにしていくことが肝要となります。
「文化時報 福祉仏教入門講座」が10月から第8期が始まります。同講座では最終講(第7講)が「ケーススタディー」となっており、実際に相談があったケースを皆さんで考えていただきます。日頃から弁護士や医師とガンガン事例検討会をしている私が担当します。第1講が終わってから(第1講の担当も私です)第7講までの約半年間に、実際に私のところにあった相談から2例を選んで皆さんに考えていただくことになります。
弁護士や医師は非常に専門性の高い職業です。しかし、そこには思い通りにならない苦があります。思い通りにならないことを思い通りにしようと迷っている人が、弁護士や医師の前に現れるのです。その問題を僧侶なりに対応していくのです。
血の通った人間の心を感じます。経典や高僧の言葉を引っ張ってくるのなら人工知能(AI)がやってくれる時代になりました。AIにできないことは「一緒に悩む」こと。
さあ、私と一緒に悩んでみませんか?