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「文化時報」コラム

〈38〉身近にいる仏様

2023年7月5日 | 2024年8月5日更新

※文化時報2023年3月17日号の掲載記事です。

 ここのところ、訳の分からない閉塞感にとらわれています。

傾聴ーいのちの叫び

 ようやくマスクが「個人の判断」に任されるようになるものの、かえって頭と気を使わなければならなくなりそうで憂鬱ですし。海の向こうの戦争は、いっこうに終わりませんし。日本にも大きな地震が来るとか来ないとか…。おまけに、夜勤帰りの電車が立て続けに人身事故で止まりまして…。ちょっと変だぞ、なんかおかしいぞと、喉と息が詰まる感じなのです。

 いつもは、夜9時を回るともう起きていられないのですけど、そんなこんなでダラダラと眠れぬ夜を過ごしていると、「他の人はどうなのかな」と思いますね。

 よく聞き分けのない患者さんに「他人のことはどうでもいいのよ。あなたのことなの」なんて言っておりますけど、こうなってみると、他人さまのことが気になります。

 さて、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。最近、閉塞感、感じていらっしゃいませんか。なんか変だって、なんかおかしいって、思っていらっしゃいませんか。

 というわけで、「あーあ。神も仏もあったもんじゃないなあ~」(おっと、失言)なんてやさぐれておりましたら、昨夜、会いました。

 その方は、1日の大半をベッドの上で過ごしていらっしゃって、体を起こすことも、食べることも、息をすることでさえ大儀なのです。それなのに、「ね、毎日、今日を良くすればいいよね。いろいろと思うと大変だけど、今日を良くすればいいんだもん。簡単だよね」と言ってのけたのです。しかも…笑顔で。

 なんたるしなやかさ。なんたる潔さ。脳天にビリビリビリッときました。目からうろこが何枚も落ちました。

 それにしても、あの方。いつも絶妙なタイミングで、私に素晴らしい気付きをくださいます。仏様の生まれ変わり…だな、きっと。うん、間違いない。ありがたや、ありがたや。

 

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