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お寺と福祉の情報局

「葬式仏教」、始まりは○○時代

2023年5月11日

 日本の仏教は葬式仏教だと呼ばれることがあります。現代の日本で仏教といえばお坊さんにお葬式をあげてもらうというイメージが強く、お坊さんが他にどんなことをしているのかあまり知らないという方もいるかもしれません。しかし、実は日本でお坊さんがお葬式を担当するようになったのは、意外と最近のことなのです。

「葬式仏教」、始まりは○○時代(イメージ画像)
「葬式仏教」、始まりは○○時代(イメージ画像)

 まず、仏教が日本に伝わってきたのは、6世紀ごろとされています。奈良時代までは、鎮護国家のために多くの寺院を建てたり、大仏を造ったりしていたと歴史の授業で習ったのではないでしょうか。

 そんな仏教がまず葬儀と密接に関わるようになっていったのが、鎌倉時代です。平安・鎌倉時代には、庶民の遺体は道や溝にたくさん遺棄され、葬儀は天皇や貴族に対して行うのがほとんどでした。一部の僧侶たちすらも、満足に弔ってはもらえなかったそうです。

 なぜかというと、古来、日本では、死を穢(けが)れたものと捉えてきたためです。中世の仏僧たちは国家に仕える身分である「官僧」が多く、彼らには死穢(しえ)を避けることをはじめとしたさまざまな義務があったため、葬儀を務めることはできませんでした。

 ところが、鎌倉時代には官僧という身分から脱却した「遁世僧(とんせいそう)」と呼ばれる僧たちが現れるようになりました。自由になった彼らは、葬儀や鎌倉新仏教の興隆など、今まで制限されていた多くの活動をするようになったのです。そんな遁世僧の存在は、日本仏教に大きな影響を与えたといえるでしょう。

 これを発端として、葬儀に関わる僧侶らが徐々に増えていきました。その後、江戸前期に幕府が定めた檀家(だんか)制度でそれぞれの家に寺院が割り振られることになります。それを大きなきっかけとして、檀那寺が檀家の人々の葬儀を行うことが主流となり、現代にまで至るのです。

 今ではお葬式といえばお坊さんを呼ぶイメージが強いですが、それが広く認められるようになったのは17世紀頃、江戸時代のことでした。ずっと昔からあるように思えても、実は最近できたものが仏教にもあるものですね。

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