2024年9月2日
介護や障害福祉事業での起業といえば、これまで現場スタッフなどとして経験を積んできた人が「自分が理想とするサービスを提供したい」と独立するケースが多く見られました。
しかし、最近では、介護・福祉関係の学校の教員などの教育者が起業するパターンも増えているようです。これまで、教育者はコンサルタントなどになるケースが多かったのですが、あえて「実業」に踏み出す理由は何なのでしょうか。
その一つが「採用のしやすさ」です。介護現場での人材不足は相変わらず深刻で、どこの事業者でも採用には非常に苦労しています。単に「採用できない」という問題だけではなく、事業者側からすれば、人が足りないからと素養に欠ける人物を採用してしまい、後々トラブルになるリスクが増えます。
また、求職者からすれば「ブラック事業所」に就職してしまうリスクは常について回ります。
それに対して、教育者であれば、現在介護現場で就業している人の中に多くの教え子がいます。教え子一人一人の介護技術や性格、仕事への向き合い方などを熟知していますし、ときには恩師として仕事や転職についての悩みの相談に乗ることもあったでしょう。当然、一般的な採用に比べてミスマッチは減ります。
さらに、教え子からすれば、自分の雇用主となる人物の性格や介護に対する考え方があらかじめ分かっているのは、就業に際して大きな安心材料となります。
少子化に加えて介護を学びたい人たちが減っていることを受け、介護福祉士養成校などの数も減っており、教育者にとっては失業の可能性も高まっています。こうした中で新たな活躍のフィールドとして「経営者」を選択することは、これからも増えていくのではないでしょうか。