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墓じまいで親族トラブル勃発?円満解決の秘訣とは

2025年3月19日

※「株式会社霊園・墓石のヤシロ」による提供記事です。

 近年、「墓じまい」を検討する人が増えていますよね。少子化やライフスタイルの変化、後継ぎ問題などさまざまな理由で、先祖代々の墓を整理しようと考える人が増えたためです。しかし、墓じまいを進める際に親族間でトラブルが発生するケースも少なくありません。

 この記事では、墓じまいによる典型的な親族トラブルの事例とその対処法、さらにトラブルを回避するための予防策について解説しましょう。

 

先祖代々の墓。墓じまいを検討する人が増えている
先祖代々の墓。墓じまいを検討する人が増えている

 

墓じまいでよくある親族トラブル事例

 墓じまいトラブルとひと口に言っても、感情的な問題から費用面まで、ケースはさまざまです。ここでは墓じまいによる親族トラブルで多く見られる、いくつかの事例を基に、その対処法を解説します。

① 価値観の違いによる対立

事例: ある家族が、遠方にある墓を墓じまいし、納骨堂へ移そうと決めました。しかし、田舎に住む親族は「先祖代々の墓を手放すなんて罰当たりだ」「墓じまいは不幸になる!」と猛反対。都会に住む親族と意見が対立してしまい、話し合いが難航した事例です。

対処法: 価値観の違いを埋めるためには、親族全員が集まる機会を設け、墓じまいの必要性やメリットを丁寧に説明することが大切です。なかでも墓主としての負担を経済面まで具体的に伝え、時には墓主の変更も相談してみることで、親族にやっと、自分ごととして考えてもらえるケースは少なくありません。

 

親族間の話し合い(イメージ)
親族間の話し合い(イメージ)

 

 それでも話し合いが難航するようであれば、お寺や葬儀社の専門家に同席してもらう対処法も一案です。専門的な第三者が入ることで、客観的な意見が分かり、感情的な対立を避けやすくなります。

 場合によっては、過去の事例を参考にし、他の墓じまいをした家族の話を交えて説明すると、理解を得やすくなるでしょう。

② 費用負担を巡る争い

事例: 墓じまいの費用が思ったより高額になり、誰が負担するのかでもめた事例です。「お墓を継ぐはずだった長男が払うべきだ」と主張する親族と、「皆で均等に負担すべきだ」と意見が分かれ、話し合いが難航しました。

対処法: 費用負担については、最初に明確な取り決めをすることがスムーズな墓じまいの基本です。親族間で公平に分担する方法を話し合い、合意できるようにします。

 

費用負担はあらかじめ取り決めを(イメージ)
費用負担はあらかじめ取り決めを(イメージ)

 

 費用は事前に見積もって、具体的な金額を前に話し合いを進めることがポイントです。場合によっては、弁護士や行政書士に相談し、文書で合意内容を残しておくことも対策になります。

③ 遺骨の扱いを巡る意見の相違

事例: 墓じまい後の遺骨を「散骨したい」という意見と、「新しいお墓に納めるべきだ」という意見が対立。親族間で激しい口論になり、関係が悪化しました。

対処法: 遺骨の扱いについては、宗教的・文化的な価値観が関わるため、慎重な対応が必要です。親族の意見を十分に聞いたうえで、納骨堂や永代供養墓や散骨など、いくつかの選択肢を提案し、納得してもらえるように工夫をすると、よりスムーズです。

 議論が平行線をたどる場合には、遺骨を分骨して片方は散骨、もう片方はお墓に納骨するなど、複数の供養先を決める対処法もあります。この他、事前に宗教関係者や専門家に相談し、納得のいく形で供養できる方法を探ってみるのも良いでしょう。

親族トラブルを避けるための予防策

 墓じまいで親族トラブルが起きてしまえば対処法が役立ちますが、そもそも親族間で余計な対立は生みたくないですよね。ここでは墓主が墓じまい以前にできる予防策を、いくつかお伝えします。

 

トラブルを避けてスムーズな墓じまいを(イメージ、画像を一部処理しています)
トラブルを避けてスムーズな墓じまいを(イメージ、画像を一部処理しています)

 

① 事前に親族全員と話し合う

 墓じまいの決定を急がず、まずは親族全員で話し合いの場を持つことが大切です。事前に意見を聞いておくことで、後から反対されるリスクを減らせます。できるだけ多くの親族の理解と合意を得るようにしましょう。

② 第三者を交えて冷静に相談する

 親族同士だけで話し合うと、感情的になりやすく、意見の対立が深まることもあります。そのため、お寺の住職、葬儀社の担当者、行政書士、弁護士などの第三者に相談することで、冷静に話し合いを進めることができるでしょう。

③ 墓じまいの手続きを明確にする

 墓じまいには、改葬許可の取得、遺骨の移転先の決定、墓石の撤去など、さまざまな手続きが必要です。トラブルを防ぐためにも、事前に流れを確認し、親族に説明できるようにしておきましょう。さらに、自治体ごとの手続きの違いもあるため、事前に役所に問い合わせることをおすすめします。

④ 費用の負担方法を決めておく

 墓じまいの費用は、墓石の撤去費、永代供養料、新たな納骨先の費用などがかかるため、最初に見積もりを取って総額を把握し、誰がどのように負担するのかを話し合って決めることが重要です。必要があれば合意書を作成しておきましょう。

 事前に合意しておけば、金銭トラブルを回避できます。補助金や助成金の有無も確認し、少しでも費用を抑える工夫をすることも重要です。

まとめ|事前の準備で親族トラブルは予防できます

 このように墓じまいをすることで墓主の負担が大きく軽減しますが、一方で親族間の意見の違いや金銭的な問題など、さまざまな要因でトラブルが発生しやすい側面もあります。このことから、負担を抱えながらも墓じまいを躊躇(ちゅうちょ)する墓主は少なくありません。

 

円満に、先祖を大切に(イメージ)
円満に、先祖を大切に(イメージ)

 

 しかし、事前にしっかり話し合いを行い、適切な対処をすることで、円満に進めることができるでしょう。具体的には下記4点です。

 これらのポイントを押さえて進めれば、トラブルを最小限に抑え、先祖を大切にしながら円満に墓じまいを完了させることができるでしょう。

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