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多文化共生は僧侶が示せ 高田本山で研究発表大会

2025年1月23日

※文化時報2024年11月12日号の掲載記事です。

 真宗高田派の教学研究を担う教学院(松山智道院長)は10月31日、本山専修寺(津市)の高田会館ホールで研究発表大会を開いた。宗門関係者ら約50人を前に、各部会の研究員がさまざまな角度から真宗文化や経文、地域社会との関わりなどについて考察を述べた。

 現代思潮と宗教的課題を研究する上田英典氏(崇顕寺衆徒、三重県四日市市)は「地域の多文化共生と真宗寺院の役割を考える」の講題で登壇。日本は2019年施行の改正入管法で外国人労働者を正面から受け入れる「移民国家」にかじを切ったとして、23年末では在留外国人が約40人に1人に上ったと伝えた。

研究報告と多文化共生への思いを語る上田氏
研究報告と多文化共生への思いを語る上田氏

 その上で「在留外国人の存在感が増す一方、人種差別などの問題も増えている。地域と密接な関係を結んできた歴史を持つ真宗寺院として、多文化共生への意識や取り組みは重要な課題だ」と指摘。真宗寺院を多文化共生のハブとして機能させていくべきだと主張した。

 また「国際交流と多文化共生は混同されがちだが、一時的な関係性で終わることの多い国際交流は、むしろ差別や偏見を生む可能性がある」と問題提起。特に信仰を背景とした生活習慣や文化については誤解を招きやすいと説明した。

 今後は宗門内で同様の問題意識を持つ僧侶らと活動したい意向を示し、「地域住民が互いの文化や信仰に興味を持って理解し合う場をつくれるのは、外来の仏教を認め、受け入れてきた日本の僧侶ではないか」と力を込めた。

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